ドイツ文法理論研究会
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[Energeia 第50号投稿申し込み・投稿締め切りの延期]
ドイツ文法理論研究会では,『エネルゲイア』第50号の原稿(論文,研究ノート,新刊紹介,文献解題,国内外のドイツ語の研究状況についての記事)
の申し込み締め切りを2024年10月31日,投稿締め切りを2025年1月10日まで延期いたします。
節目となる第50号 です。みなさま奮ってお申し込みくださいますようよろしくお願いいたします。
「エネルゲイア」執筆申し込み要項も合わせてご参照ください。
[2024年秋の研究発表のお知らせ]
2024年秋の研究発表会は、日本独文学会に引き続き以下の要領で熊本大学黒髪北地区での開催を予定しております。 奮ってご参加ください。
日時:2024年10月20日(日)13時15分~16時00分
場所:熊本大学黒髪北地区 文法学部B講義棟B2講義室
熊本大学 交通アクセス&キャンパスマップ と
熊本大学 黒髪北地区 をご参照下さい。
プログラム:
13:15 - 開会のあいさつ
13:20 - 15:00 講演
講演:村尾 治彦氏(熊本県立大学文学部教授)
表題:The Access-and-Activation Modelによる日英語の数・量推移構文分析
要旨:
日英語の表現パターンの違いは従来から数多く指摘されてきており(国広1974、池上1981、安藤1986、Hinds 1986、吉川1995、など)、
認知言語学においても両言語間の事態把握の違いから分析がなされてきた(谷口2005、本多2005、池上2011、野村2014、Ikegami 2015、中村2019など)。
これらの研究はもっぱら文レベルの観点からの考察が中心となっているが、本発表では、認知文法の
The Access-and-Activation Model (Langacker 2012a, b, 2016, など) を用いて、日英語の異なる表現パターンを談話処理の過程で生ずる構築物として捉え、
「概念基盤(conceptual substrate)」へアクセスする「処理枠」の違いから言語間の違いを考察する。
分析対象とする構文は、「NPが増加する・減少する」/increased・decreased NP、「NPを繰り返す」/ repeated NP、
「NPが続く」/continued NPのような日英語の増減表現、繰り返し表現、継続表現などの数・量の推移を表す構文である。
(休憩)
15:15 - 16:00 研究発表
発表者:横田 詩織 氏(慶応義塾大学大学院博士後期課程)
表題:多様な意味はどのように生じるのか? ― haben + zu-Infinitiv とその類似表現を例に
要旨:
ドイツ語の haben + zu-Infinitiv (以下hzI) は英語の対応表現との比較からも、一般に義務の意味を表す表現と見なされている
(Gelhaus 1977, Pape-Muller 1980 et al.)。
しかし hzI の用例を観察すると、義務の意味で解釈することのできないものも多く見受けられる。
それゆえ、当該表現を義務の意味のみと結びつけることは適切でないと考えられる。
本発表では、英語の対応表現との対照およびドイツ語の sein + zu-Infinitiv (szI) との対照を通し、
hzI の表す基本的意味とその解釈の問題を扱う。その際、本発表では以下の問いを立て hzI へのアプローチを行う。
・どのような場合にhzIは義務の意味で解釈されるのか
・hzIが表す意味とhave + to-infinitiveが表す意味の範囲にはどのような違いがあるか
・hzIとszIとの解釈の幅はどこから生じるものなのか
[2024年春の研究発表のお知らせ]
2024年春の研究発表会は、日本独文学会に引き続き以下の要領で慶應義塾大学日吉キャンパスでの開催を予定しております。 奮ってご参加ください。
日時:2024年6月9日(日)13時10分~16時00分
場所:慶應義塾大学日吉キャンパス 独立館D308
日吉キャンパス:アクセス:[慶應義塾]をご参照下さい。
プログラム:
13:10 - 13:30 総会
13:30 - 15:00 講演
講演:松岡 和美氏(慶應義塾大学経済学部教授)
表題:並べるよりも重ねる:手話言語の特性と日本手話の完了アスペクト(日本手話ー日本語通訳あり)
要旨:
手話言語とは「目で見る生活様式に基づく文化(ろう文化)」を備えたコミュニティで用いられる視覚言語を指す。
これまでの手話研究により、ジェスチャーのような図像性の高い表現が手話言語に取り込まれて抽象的な文法特性を備えるに至った事例が多く見いだされてきた。 身体部位を用いた表現は言語音よりも産出に長い時間を要するが、視覚は聴覚よりも多くの情報を同時に認識することができる。
その結果、手話言語では意味を持つ要素を連結するだけでなく、語彙表現の一部として組み込んだり、
異なる身体部位や空間で示された情報を「層」のように重ね合わせたりする表現形式が発達した。
本講演では、視覚言語の特徴を示す現象の一例として、日本手話の完了アスペクトをとりあげる。
手話言語の多くには時制を示す文法表現がないとされるが、非手指表現の完了相を表す口型の生起条件には、
時制や語彙タイプと連動したパターンが見られる。
この観察は、音声言語・手話言語に関わらず、時制を持たない言語に共通するアスペクト表現の類型の考察に資するものと考えられる。
(休憩)
15:20 - 16:00 研究発表
発表者:河野 巧一 氏(東京大学大学院)
表題:再帰代名詞の再構築効果 ―ドイツ語・ 英語の比較から―
要旨:
本研究では、「wh 構文」や「話題化構文」といった構文内で、「再帰(/self 系)代名詞が何を先行詞として取りうるか」、
「そこにどのような言語間差異が観察されるのか」という点をテーマとして取り扱う。
英語の具体例が(1)と(2)である。(1)の himself は同一節内の主語 Bill を指示できるが、
非局所的な主語の John は指せない。
一方 (2) のように、wh 移動等の文の節を越える移動 (A' 移動) により himself を文頭に上げると、
再帰代名詞はどちらの主語にも解釈でき、曖昧となる。
(1) Johni said that Billj saw a picture of himself*i/j.
(himself=Bill/≠John) (Quicoli (2008: 313))
(2) Which pictures of himselfi/j did Johnj think Billi saw? (himself=Bill/=John) (Huang (1993: 103))
生成統語論では同現象は「再構築」と呼ばれ、人間言語の「移動操作の連続循環的性質」の反映として注目されてきた。
具体的には (3) のように、節境界を越えた長距離の移動は、複数の局所的移動の繰り返しによって行われると想定されている 。
結果的に wh 句が統語構造上複数の位置に現れることになり、曖昧性が生じると考えられる。
(3) [CP Which picture of himself did John think
[CP which…himself
Bill saw which…himself ]]]?
↑__________________________ |
↑__________________ |
一方でこの曖昧化の分析は、(4) のようにドイツ語には直ちに適用できない。しかし、同言語には連続循環移動の明示的証拠が多く存在する。
(4) Welches Foto von sich??~*i/j hat Hansi
gedacht hat Peterj gesehen? (sich=Peter/≠Hans)
本発表ではドイツ語や英語、オランダ語などの比較を通じて、ドイツ語のA'構文の特徴を明らかにし、
それが再帰代名詞の振舞いの差に影響を与えている可能性を示す。
[2023年秋の研究発表のお知らせ]
2023年秋の研究発表会は、日本独文学会に引き続き以下の要領で京都府立大学で開催を予定しております。 奮ってご参加ください。
日時:2023年10月15日(日)13時15分~16時00分
場所:京都府立大学下鴨キャンパス 稲盛記念会館206号室(学会E会場)
下鴨キャンパス | 大学案内 | 京都府立大学をご参照下さい。
プログラム:
13:15 - 16:00 ラウンドテーブルディスカッション 「AI時代のドイツ語研究のあり方」
ChatGPTなどのAIによる言語の機械処理が大きな話題になっていますが,当研究会でも言語研究の方向性をあらためて問い直す機会を設けるべく,
本年春の例会で学習院大学の岡本氏に話題提供をお願いし準備を行いました。
今回は,岡本氏による現状を概観することも含めた提題の他、3名の会員が自身の研究から本問題についての提題を行う予定です。
それに基づき,会場のみなさまとさらなる議論を展開できたらと考えています。
【ラウンドテーブルディスカッション】
提題者:岡本 順治氏(学習院大学)
「無意識の言語知識は幻想か? 生成AIを支える確率論が突きつけた現実」
生成文法は当初、母語話者は文法性に関する直感を持つという前提を前面に押し出したが、途中から文法性は文法が決定するもので、母語話者の直感は許容性とつながり必ずしも信用のおけるものではないという見方に変わった。この言語データに関するナイーブな立場(=直感言語データ主義)は、その危うさを認識されつつも「無意識の言語知識」を明示的に規則化するという方向の言語研究を止めるものではなかった。しかし、ChatGPTを初めとする生成AIが、規則ベースではなく確率ベースで自然言語での対話を高い水準で実現してしまったことから、直感言語データ主義が根本から揺らぐこととなった。今回は、2023年春のトークに続けて、今後淘汰される言語研究と生き残る言語研究を考察する。
提題者:室井 禎之氏(早稲田大学)
「体系と意図」
言語研究は我々の言語活動の背後にある機構を解明することを目標にしてきた。
混沌とした言語現象は一定の比較的単純な手続きによって生み出されるとみなしているのである。
この機構のうち骨組みを形成するものが文法と呼ばれ、語彙がそこに結びついて内容のある文を作り出す。
文法も語彙の意味も習得されなければならない。前者に関しては合理論、経験論の立場からの仮説がさまざまに提案されている。
後者についてもいくつもの習得を促す制約の存在が提案されている。また習得においても使用においても伝達意図の重要性が指摘されている。
言語研究におけるこのアプローチと生成AIとの違いは明らかである。
後者は大量のデータを意味(意図)の関与なしに処理することによって人間にも理解可能な表現を生成する。
その点で生成AIは人間の言語能力をシミュレートしているとは言えないのであるが、それが生み出す文の(少なくとも外見的な)自然さは真剣に考慮するべきであろう。
提題者:大薗 正彦氏(静岡大学)
「行動主義,認知言語学,そしてAI」
行動主義(心理学)と認知言語学の主張を参照しながら,AI時代の言語研究に投げかけられる問題点を整理し,議論のための話題を提供したい。
人とAIの異同についてはさまざまな点が指摘されていて,その真偽は(発表者には)不明な部分も多いが,言語習得や発話のプロセスも重要な論点となっている。
しかしながら,例えば「認知プロセス」とは何か。それは「存在」しているのか。行動主義の立場に立てば,そのようなものは存在せず,
記述のためのフォーマットに過ぎないということになるだろう。
このような問題はもちろんAIの登場以前から存在していたはずであるが,AIの登場によってあらためて検討を余儀なくされるのかもしれない。
提題者:田中 愼氏(慶応義塾大学)
「alternativ(los)の文法」
田中は,Bayer(2022)で提唱された,統語構造におけるepenthetisches Prinzip(音挿入の原理)を中心に,
文法における意味の理解(「対立」か「分布」か)の問題について話題提供をする。
Bayer(2022)から,いわゆるtun-Periphraseの観察を取り上げ,この違いは(生成AIが基づく)分布の違いで捉えることができるのかについての考察を行う。
問題となる文は以下のとおりである。
(i) *Ich tue nichts sehen/hören/spüren.
(ii) Sehen/hören/spüren tue ich nichts.
Bayerは,統語原理が発動するためには「対立」(Alternativen)が必要であり,epenthetisches Prinzipはこの「対立」がない場合の修正原理であると位置づけている。
これは「対立」が言語が言語として機能するための最低条件であるということを意味している。
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[2023年春の研究発表のお知らせ]
2023年春の研究発表会は、日本独文学会に引き続き以下の要領で明治大学での開催を予定しております。 奮ってご参加ください。
日時: 2023年6月4日(日)13時10分~16時00分
場所: 明治大学駿河台キャンパス・リバティタワー1125教室
駿河台キャンパス アクセスマップ | 明治大学 をご参照下さい。
プログラム:
13:10 - 13:30 総会
13:30 - 15:00 講演
講演:唐須 教光 氏(明治大学大学院文学研究科,慶應義塾大学名誉教授)
表題:「言語人類学・記号論から見たドイツ語の認識の風景」
要旨:
0. 二足歩行―>脳容量の増大+音声器官発達言語獲得(verbalization).
すなわち,遺伝的情報+認知に言語が加わった結果 homo loquens としての人類の認識の風景に革命的変化が生じたが、それに伴って原罪を背負うことに。
その原罪を贖うために、それぞれの言語が種々方策をとってきた。
ドイツ語による贖いの方策 。
1.クラチュロス的二次有契性への顕著な傾向。
2.文法的規則性や二語一想を含む形態的有契性の多用。
3.現象の表現(非人称構文,再帰動詞,不定代名詞es等)への傾斜
4.場所表現へのこだわり。
5.その他。(ドイツ語理解キーワード)
これらの特徴は、同一方向に収斂しているように思われる。
---
(休憩)
15:20 - 16:00
「秋学会で開催予定のラウンドテーブル・ディスカッションへ向けて」
話題提供者:岡本 順治 氏(学習院大学)
内容:「言語の基本原理も確率か?:ChatGPTが投げかける疑問」
概要:
本発表は、生成AIとして話題となっているChatGPTに関連して、以下の3つのテーマを扱い、言語学の基本原理に関する疑問を投げかけることを目的とする。1. 大規模言語モデル(LLM)に基づくこのようなシステムがどのような処理を行っているのか。2. 大規模なコーパスを利用し、統計処理をすることでどこまで言語の本質に接近できるか。3. ChatGPTに論文を書かせるとどうなるのか。
●●●
ChatGPTなどのAIによる言語の機械処理が大きな話題になっていますが,当研究会でも言語研究の方向性をあらためて問い直す機会を設けたいと考えています。1992年10月の学会の際の研究会でもそのような機会を持ちましたが,今回は同様の議論を立ち上げる上で,学習院大学の岡本氏に話題提供をお願いし,秋の研究会でラウンドテーブルディスカッションを行うための準備の会を設けたいと考えています。岡本氏の話題提供を受け,会場で「AI時代のドイツ語研究のあり方」(仮題)について議論ができればと考えています。今回の講演で,言語人類学者で英語学者である唐須先生に,ドイツ語研究の可能性についてお話をいただくことになりますが,本講演も踏まえて会場で秋に向けての方向性を決定できればと考えています。
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[日本英語学会第40回大会公開特別シンポジウム]
日本英語学会第40回大会公開特別シンポジウムのご案内
日本英語学会では、第40回大会において公開特別シンポジウムを次の通り開催いたします。
・テーマ:英語の常識・世界の言語の非常識
・日時: 2022年11月5日(土)16:00ー18:45
・場所: オンライン開催(会員登録・参加費不要)
・司会: 大谷 直輝 (東京外国語大学)
・講師: 中川裕(東京外国語大学)、藤縄康弘(東京外国語大学)
後藤雄介(東京ロシア語学院)、宮内拓也(東京大学)、匹田剛(東京外国語大学)、野元裕樹(東京外国語大学)、長屋尚典(東京大学)
詳細はこちら をご覧ください。
学会員以外の方は、オンラインの Zoom 情報をお知らせするために、10月21日(金)から11月3日(木)まで参加申込を
日本英語学会ウェブサイト (elsj.jp) で受け付けいたします。ぜひ多くの方のご参加をお待ちしています。
[Energeia 第48号論文申し込み・投稿締め切りの延長]
ドイツ文法理論研究会では、『エネルゲイア』第48号の原稿(論文、研究ノート、新刊紹介、文献解題、国内外のドイツ語の研究状況についての記事) の
申し込み締め切りを2022年10月31日、
投稿締め切りを2022年12月31日まで延長いたします。
奮ってお申し込みくださいますよう、よろしくお願いいたします。
「エネルゲイア」執筆申し込み要項 も合わせてご参照ください。
[2022年秋の研究発表会のお知らせ](第二報反映)
2022年度の秋の研究発表会は,独文学会の研究発表会がオンライン実施のため,同様にオンラインで実施いたします。奮ってご参加ください。
Zoom のアクセス情報は, 会員の方にはハガキあるいはメールで通知されます。要旨は追ってこちらのウェブサイトで掲載予定です。
日 時:2022年10月9日(日)14時00分~16時30分
Zoom によるオンライン開催
【プログラム】
14:00 - 15:30 講演
講演:佐藤 知己 氏(北海道大学大学院文学研究科)
表題:アイヌ語の抱合と結合価
要旨:
抱合はヴィルヘルム・フォン・フンボルト以来、多くの研究者の注目を集めてきた。佐藤はドイツのデ・グロイター社から本年刊行予定の Handbook of the Ainu Language(編者:東京理科大学 Bugaeva Anna 氏)に Noun Incorporation in Ainu という章を執筆、寄稿し、その中でアイヌ語の抱合現象を記述的に説明した。本講演では主としてその内容に基づいてアイヌ語の抱合現象を概説する。特に、アイヌ語の抱合の諸タイプそれぞれの特徴付けと、アイヌ語の抱合を規制している諸制約について紹介し、抱合の制約の限界を超える局面ではさらに「擬似抱合」が出現し、抱合と擬似抱合が階層的な体系をなしていること、本来、動詞に対する形態的表示の一種である抱合が、それとは表面上無関係な幅広い行動特性を持つことを合成名詞の形成制約を例として述べる。なお、寄稿では紙幅の都合で詳しく触れることができなかった理論的問題点についても触れる。
特に、本来、統語論的概念であるはずの「主語」、「目的語」のような用語が、形態論的な現象であるアイヌ語の抱合の記述ではなぜ有効であるのかの理由と、その背景にあるアイヌ語の動詞の結合価の重要性と特殊性について述べる。最後に、最近の研究で明らかになった、抱合に伴う結合価の変更が語用論的な要因に大きく左右される非常に珍しい事例についても簡単に紹介する。
15:30 - 15:45 休憩
15:45 - 16:30 研究発表
発表者:井口 真一 氏(関西学院大学非常勤講師)
表題:形容詞構文における与格の意味機能
要旨:
本発表は、与格と共起するとされる形容詞を対象にコーパス分析を行い、形容詞構文における与格の意味機能を問うものである。発表者はこれまでの研究において、「場面レベル述語」と「個体レベル述語」という述語の性質の違いについての対立概念を手がかりに、behilflich, bekannt, böseの3語について調査を行った。その上で、形容詞構文において与格が生起することで、文全体は個体レベル性が弱まり、より場面レベル的に解釈される傾向にあることを主張した(井口2018)。本発表では、これまで考察の対象としなかった形容詞に焦点を当てることで、上記の主張の精密化を図ることを目的とする。また、判断の与格 (dativus iudicantis) の生起のメカニズムについて考察することにより、格目的語としての与格と自由与格の違いは形容詞構文においてどのように把握されうるかについても議論したい。
[2022年春の研究発表会のお知らせ]
2022年春の研究発表会は、独文学会に引き続き以下の要領で立教大学での開催を予定しております。
奮ってご参加ください。
日 時:2022年5月8日(日)13時10分~16時00分
会 場:立教大学 ➪ 10号館 X206
池袋キャンパスへのアクセス | 立教大学をご参照下さい。
【プログラム】
13:10 - 13:30 総会
13:30 - 15:00 講演
講演:唐澤 一友 氏(立教大学文学部)
表題:ドイツ語史と英語史:両言語発達史の比較(仮)
要旨:ドイツ語と英語は同じゲルマン語に由来するという意味において、兄弟のような関係にある言語といっても良く、
実際、古高地ドイツ語や古サクソン語と古英語とは非常によく似た特徴を持つ言語でした。
一方、現在のドイツ語と英語とは文法的にも語彙的にもかなり異なる特徴を発達させています。
これは過去千年前後の時間をかけて、両言語がそれぞれ独自に発達しながら現在に至った結果であると言えますが、
本講演では、ドイツ語史と英語史とを比較しながら、両言語が異なる特徴を発達させるに至った過程について考えてみたいと思います。
(休憩)
15:20 - 16:00 研究発表
発表者:出島 恒太郎 氏(学習院大学大学院)
表題:Malの類別詞用法(仮)
概要:
Krifka (1989) によれば、zwei Stück Vieh におけるStückは類別詞 (Klassifikator) であり、Numerativkonstruktion の下位類の一つである。
Stück は不可算(集合)名詞である Vieh が表す不定の複数の個体を実現したものである。
Krifka は Mal について名詞領域の類別詞構造に対する動詞領域における並行性を指摘して、Klassifikator と対比的な存在であることを示唆している。
この示唆に則り、 Mal が動詞句または文の表す時間的または出来事的な性質を実現したものであるという分析を行う (1) 。
(ここで Mal と -mal に意味的な差異はないと見なす。Mal の下記の用法はいわゆる頻度(回数)副詞である。)
(1) Paul hat zwei Mal geschlafen.
これに加えて Mal には名詞領域における類別詞構造と同じ構造を有し、出来事名詞の複数を表す用法があることを指摘する (2) 。
(2) Bei uns gibt es Heiligabend für Tom zwar zwei Mal Bescherung, aber keine Party:
Der Tagesspiegel, 05.01.2004
この用例は Krifka (1989) の類別詞構造の分析を応用することによって上記の例文を分析が可能と思われる。
一方、同じ分析方法では扱うことのできないと思われる用例(非出来事名詞)も確認される (3) 。
(3) Für Kaltenkirchen gilt in der Woche vom 15. bis 21. März eine tägliche Kapazität von 96-mal Astrazeneca und 160-mal Biontech, in der Woche bis 28. März wird dies auf 144 bzw. 220 aufgestockt.
Hamburger Abendblatt, 11.03.2021
(3) において後続名詞 (Astrazeneca および Biontech) は時間的または出来事的性質が語の意味にもともと含まれているとは言えないであろう。
しかしこれらの名詞句が表しているのは明らかにワクチン(接種)のことであろう。
(2) と (3) はKrifka (1989) の類別詞の理解に基づき分析すると、同じ種類の用例として扱うことができないと思われる。
しかし類別詞の理解を拡大することによって、「Mal (類別詞)による後続名詞の規定」という観点を導入することによって、
上記二つの用例を統一的に扱うことができると考える。
また本発表をするにあたって着想を得た池上 (2000) における下記の例文 (4) (加算名詞である Briefmarke)も同様に分析することができるかも検討したい。
(4) a. Zweimal zehn Pfennig Briefmarke, bitte.
b. Zwei zehn Pfennig Briefmarken, bitte. 池上(2000:144)
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[Energeia 第47号論文申し込み・投稿締め切りの延長]
ドイツ文法理論研究会では、『エネルゲイア』第47号の原稿(論文、研究ノート、新刊紹介、文献解題、国内外のドイツ語の研究状況についての記事)
の申し込み締め切りを2021年10月31日、
投稿締め切りを2021年12月31日まで延長いたします。
奮ってお申し込みくださいますよう、よろしくお願いいたします。 「エネルゲイア」執筆申し込み要項も合わせてご参照ください。
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[2021年秋の研究発表会のお知らせ]
2021年10月3日(日)の秋の研究発表会は,独文学会の研究発表会がオンライン実施のため,同様にオンラインで実施いたします。奮ってご参加ください。
Zoom のアクセス情報は、 会員の方にはハガキあるいはメールで通知されます。
日時: 2021年10月3日(日)13時30分から16時00分
プログラム:
13:30 - 15:00 講演
講演:上原 聡 氏(東北大学国際文化研究科)
表題:日本語表現の名詞指向性・なる言語性・主観性―主語省略をめぐる認知言語学的考察―
要旨:
文脈依存型で、文脈から復元可能であれば主語省略が可能とされる東アジア・東南アジアの言語は多い。その中でも、日本語は特にその省略の度合が高いと言われている。本発表では、その主要因として、日本語の属する、「好まれる言い回し」に基づく以下の3つの類型があることを指摘し、それぞれの、主語省略との統語的及び意味的関わりについて議論する。(以下の鉤括弧内は、日本語の対極にあるとされる英語(及びドイツ語か)の属する類型。)
1)名詞指向言語[vs. 名詞中心言語](新屋 2014、他)
2)なる言語[vs. する言語](池上 1982、他:)
3)主観的把握型言語[vs. 客観的把握型言語](池上 2003、中村 2003、他)
発表では、日本語・英語・他言語の主に対訳コーパスを用いたデータで言語間の対応表現を比較し、日本語には、文脈要因以外にも主語名詞の指示対象を背景化する文法構造があることを示す。さらに、この3つの表現形式それぞれの表す捉えの、共通点と相違点及び相互関係を考察する。
15:00 - 15:15 休憩
15:20 - 16:00 研究発表
発表者:松本 蒼来 氏(慶應大学大学院)
表題:語が表す性のモデル − カテゴリーとしてのSexus
概要:
ドイツ語の「性」には文法的な性(Genus)と、人間/生き物の性別(Sexus)があり、互いに密接に関わりながらも区別される。本発表ではSexusについて、言語学においてどのような性別観で語の意味が記述され得るのかについて扱う。性別に言及する言語研究やコーパスからの例文を参照しながら、言語学的性別観のモデルを単純なものから複雑なものまで段階的に4つの型に分類し、それぞれのモデルの特徴と限界を考察する。起点となる最も単純なものとして、成分分析の[±WEIBLICH]を例に、男/女を相補性のある反義関係として二元的に捉えるモデルを挙げる。最も複雑化した4つ目のモデルでは、現在の実際の言語現象の記述にも対応可能な非二元的でプロトタイプ効果を持つカテゴリーとしての性別モデルの有用性を検討する。
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[2021年春の研究発表会のお知らせ]
2021年6月6日(日)の春の総会および研究発表会は、独文学会の研究発表会がオンライン実施のため、同様にオンラインで実施いたします。
奮ってご参加ください。
今回も、オンラインということで、会員以外にも門戸を広げたいと思っておりますので、
周りの方をお誘いの上、ふるってご参加いただければと思います。Zoom のアクセス情報は、
会員の方にはハガキあるいはメールで通知されます。また、独文学会の deutsch でもお知らせする予定です。
日時: 2021年6月6日(日)13時30分から16時20分
プログラム:
13:30 - 15:00 講演
講演:長屋尚典氏(東京大学人文社会系研究科)
表題:タガログ語におけるthetic/categorical判断:主題の対照研究
要旨:
本発表では、タガログ語における thetic/categorical判断に関連する現象を取り上げ、主題の対照研究上の問題を考察する。
日本語の「は」で標示された名詞句とタガログ語などフィリピン諸語のangで標示された「トピック」(あるいは主格名詞句)
の間に興味深い共通点があることはこれまでに何度も指摘されてきた (Shibatani 1988, 1991, Katagiri 2004, 2006)。
その背景には、感嘆文、気象文、存在文など、日本語で主題の「は」が用いられにくい環境で、「トピック」もまた使われないという観察がある。
さらに近年、Santiago (2013) によって、タガログ語の「トピック」の分布がthetic/categoricalという判断の区別 (Kuroda 1972)
で説明できるという説が提案された。
本論文では、タガログ語の「トピック」と日本語の主題名詞句の対照研究を行い、
thetic/categoricalの区別でタガログ語と日本語の平行性を捉える仮説に異議を唱える。
具体的には、先行研究で既に議論されているデータを再分析し、新しいデータを提示することによって、
タガログ語において (i) theticな文において「トピック」が現れないことはタガログ語に特殊な要因によって説明できること、
(ii) theticな文に「トピック」が出現することも可能であること、さらに
(iii) categoricalな文のなかには「トピック」が必須ではない文もあることを示す。
このように、タガログ語と日本語の共通点は表面的なものであり偶然の産物である。
日本語で指摘されるthetic/categoricalという判断の違いによって、タガログ語の「トピック」の出現・非出現を予測することはできない。
15:00 - 15:15 休憩
15:15 - 15:30 総会
15:30 - 16:20 研究発表
発表者:宮田瑞穂氏(東京大学大学院)
表題:「話し手の主観を表すモウとschonの日独語対照」
概要:
日本語の副詞であるモウは、「もうご飯を食べた。」という、時間に関わる変化を表す時間用法を持つ一方で、
「昨日はもう忙しくてたまらなかった。」のような、述語部を強調する強調用法を持つ。
また、モウ単独で用いられ、非難や叱責を表す用法も持つ。
ドイツ語においても、モウに対応するschonは、"St. Pauli ist schon ‘n gutes Team!" (Zimmermann 2018) のように、
心態詞 (modal particle) としての用法を持つ。
このように、日本語とドイツ語は、時間に関する副詞が、話し手の主観を表す用法を持つという共通点を持つ。
本発表の目的の一つは、モウが述語部を強調する機能を持つ過程、およびモウが単独で用いられる場合に、
ネガティブな評価しか表すことができない原因について分析することである。
本発表では、モウの強調用法を、焦点化による対照性・対比性 (contrastiveness) の解釈の発生という観点から分析する。
さらに、モウとschonのどちらも焦点および対照性と関連しているが、異なる意味が生じる理由を明らかにする。
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[2020年秋の研究発表会のお知らせ]
コロナ禍の中、秋の研究発表会がオンライン開催されることになりました。企画されたのは、オフラインでは実現が難しい海外の言語学者による講演です。
トリエント大学(イタリア)のErmenegildo Bidese 氏には、南バイエルン方言に属するキンブリ語(Zimbrisch)を中心に、ゲルマン語とロマンス語の文字通りの接点について、主に統語論の観点からの研究についてご講演いただくことになりました。
今回は、オンラインということで、会員以外にも門戸を広げたいと思っておりますので、周りの方をお誘いの上、ふるってご参加いただければと思います。Zoom のアクセス情報は、会員の方にはハガキあるいはメールで通知されます。また、独文学会のメーリングリスト deutsch でもお知らせする予定です。
日時:2020年11月7日(土) 18時~19時30分
講演者:Prof. Dr. Ermenegildo Bidese – Universität Trient (Italien)
講演タイトル:Synchronisierungseffekte im romanisch-germanischen Grenzgebiet
Abstract:
Synchronisierungseffekte im romanisch-germanischen Grenzgebiet
Ermenegildo Bidese – Universität Trient (Italien)
Entlang der Brenner-Achse, die München auf der Alpennordseite mit Verona im Süden verbindet, erstreckt
sich ein alpines Grenzgebiet, in dem seit alters her verschiedene romanische und germanische
Regional- und Minderheitssprachen gesprochen werden, wie folgende Karte darstellt:
Languages in Trentino and South Tyrol - Census 2011 | de.wikipedia.org (CC 3.0)
Der enge Kontakt hat dazu geführt, dass unter den Sprachen in dieser Region Sprachbund-Effekte zustande kommen, wie auch in anderen Gegenden der Alpen (vgl. Mayerthaler & Mayerthaler 1990, Mayerthaler 1999, Seiler 2004, Gaeta & Seiler 2018).
Ziel meines Vortrags ist einige dieser Synchronisierungseffekte im Bereich der Syntax zu analysieren. Dabei werde ich den Analysen der Phänomene den Mechanismus des Feature Inheritance (= FI) zugrunde legen, der zunächst von Chomsky (2008) eingeführt, um das Variationsspektrum zwischen einem Phasenkopf und seinem Komplement zu modellieren, und später in mehreren Erklärungsansätzen übernommen wurde, um die sprachliche Variation zwischen verschiedenen Sprachen (vgl. Ouali 2008, Biberauer 2010, Bidese & Tomaselli 2018) oder verschiedenen historischen Phasen derselben Sprache zu beschreiben (vgl. u.a. Poole 2018). Von der germanischen Minderheitssprache Zimbrisch ausgehend
möchte ich in meiner Präsentation diesen Mechanismus auf den typologischen Vergleich zunächst zwischen Italienisch und Deutsch und dann zwischen romanischen und germanischen Dialekten (Trentino und Bairisch) im besagten Grenzgebiet anwenden und somit zeigen, dass das FI-Modell in der Lage ist, die syntaktischen Gemeinsamkeiten dieser Sprachen, aber auch ihre spezifischen Eigenschaften zu erfassen.
Bibliographie:
Biberauer, Theresa (2010): Semi Null-Subject languages, expletives and expletive pro reconsidered. In: Theresa Biberauer, Anders Holmberg, Ian Roberts & Michelle Sheehan (eds.), Parametric Variation: Null Subjects in Minimalist Theory. Cambridge: Cambridge University Press, 153–199.
Bidese, Ermenegildo & Alessandra Tomaselli (2018): Developing pro-drop: the case of Cimbrian. In: Federica Cognola & Jan Casalicchio (eds.), Null Subjects in Generative Grammar: a Synchronic and Diachronic Perspective. Oxford: Oxford University Press, 52–69.
Chomsky, Noam (2008): On Phases. In: Robert Freidin, Carlos P. Otero & Maria Luisa Zubizarreta (eds.), Foundational Issues in Linguistic Theory: Essay in Honor of Jean-Roger Vergnaud. Cambridge/Mass.: MIT Press, 133–166.
Gaeta, Livio (2018). Im Passiv sprechen in den Alpen. Sprachwissenschaft 43(2), 221–280.
Mayerthaler, Willi (1999). Syntaktische Aspekte des Sprachkontakts. In: Hans Tyroller (Ed.), Sprachkontakte im Alpenraum. Minderheiten- und Lokalsprachen. Tagungsberichte des Symposiums „Kodifizierung und Ausarbeitung einer Grammatik des Zimbrischen und des Fersentalerischen“, Trento 7. Mai 1999. Trento: Autonome Region Trentino-Südtirol.
Mayerthaler, Willi and Eva Mayerthaler (1990). Aspects of Bavarian Syntax, or „Any language has at least two parents“. In: Jerold A. Edmondson (Ed.), Development and diversity. Language variation across time and space. A Festschrift for Charles-James N. Bailey. Dallas, Tex.: Summer Institute of Linguistics / The University of Arlington publications in linguistics, 371–429.
Ouali, Hamid (2008): On C-to-T φ-feature transfer: the nature of agreement and anti-agreement in Berber. In: Roberta D'Alessandro, Gunnar H. Hrafnbjargarson & Susann Fischer (eds.), Agreement Restrictions. Berlin: Mouton de Gruyter, 159–180.
Poole, Geoffrey (2018): Feature inheritance in Old Spanish: (re)visiting V2. In: Laura R. Bailey & Michelle Sheehan (eds.), Order and structure in syntax I: Word order and syntactic structure. Berlin: Language Science Press, 117–144.
Seiler, Guido (2004). Gibt es einen Alpensprachbund? In: Elvira Glaser, Peter Ott, and Rudolf Schwarzenbach (Eds.), Alemannisch im Sprachvergleich. Beiträge zur 14. Arbeitstagung für alemannische Dialektologie in Männerdorf (Zürich) vom 16.-18.9.2002. Stuttgart: Franz Steiner Verlag, 485–493.
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[2020年春の研究発表会中止のお知らせ]
2020年6月7日に東京大学で開催が予定されていた春の研究会は、新型コロナウイルス感染防止の観点から中止とすることに決定しました。 6月6日、7日(日)に予定されていた日本独文学会も中止されますが、研究発表会はオンラインで行われる予定です。
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[2019年秋の研究発表会]
2019年10月20日(日)に成城大学で開かれる秋の研究発表会の予定が決まりましたのでお知らせします。
日時: 2019年10月20日(日)13時15分から16時
場所: 成城大学 3号館 321教室
アクセス|成城大学 をご参照下さい。
プログラム:
13:15 - 14:45
講演: 廣瀬 幸生 氏(筑波大学)
表題:「主観の客体化 ─ 他者の思いをどのように受け止め,伝えるか ─」
要旨:
言語によるコミュニケーションは,言語がその主体の思いを表現している点において,思いのやりとりと見る必要がある。
私は,これまで一連の研究において,他者に思いを伝達するレベルの言語表現を「公的表現」,他者への伝達を意図せずに,
主体の思いを表現するだけのレベルの言語表現を「私的表現」と呼ぶとともに,この区別に対応して,言語主体としての話し手を,
伝達・報告の主体としての「公的自己」と思考・意識の主体としての「私的自己」に解体することの重要性を主張し,様々な現象を分析してきた。
本発表では,この研究の流れを背景に,私的自己・公的自己論のさらなる応用として,
「他者の思いを話し手がどのように受け止め,伝えるか」という「主観の客体化」に関する理論を提示したい。
発表の前半では,これまでの研究をもとに私的自己・公的自己論の概要を示し,後半で主観の客体化という現象について,特に英語を中心に論じることにする。
14:45 - 15:00 休憩
15:00 - 16:00 研究発表
発表者: 岡本 順治 氏(学習院大学)
表題:「「言語使用の三層モデル」に基づくドイツ語心態詞の説明可能性」
概要:
言語使用の三層モデル(Three-Tier Model of Language Use:以下,三層モデルと略)は,
Hirose (2013, 2015),廣瀬 (2016a, 2016b, 2017) によって提案されている言語使用に関するモデルである。
「状況把握」,「状況報告」,「対人関係」の3つの層の関係に基づくこのモデルは,
従来個別言語によって大きく異なると思われていた言語使用というレベルでも普遍論を展開できる可能性を示唆している。
Matsumoto (1988) や Ide (1989) で指摘されているように,日本語では聞き手に対する関係を決めなければ情報伝達が困難である。
"Today is Friday."/„Heute ist Freitag.“ という情報を伝達する際に,
日本語では,通常「今日は金曜日だ」だけでは不自然で,むしろ「今日は金曜日だ{よ/です/でございます}」のように,
終助詞「よ」や丁寧体の「です」「でございます」が使われる(廣瀬 2017: 13)。
このような観点から見ると,終助詞と同じような機能を持つケースもあるドイツ語の心態詞は,どのように位置づけられるだろうか。
本発表では,Konno (2015), 今野 (2017) で提案されている「デフォルト志向性の解除」を用いた五十嵐 (2017) における
"I tell you" の分析の応用可能性,および,
公的自己中心でありながらその中心を無標の「状況報告」から有標の「対人関係」に移すというモデルの可能性を検討する。
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[2019年言語系学会連合・日本英語学会共催公開シンポジウム]
ドイツ文法理論研究会も加盟している言語系学会連合と日本英語学会の共催で、以下の要領で公開シンポジウムが開催されます。
参加費無料、事前登録不要ですので、奮ってご参加ください。
テーマ:「ことばは現実をどう捉えるか─ことばの対照研究のおもしろさ─」
日 時:2019年11月9日(土)15:15~18:00
会 場:関西学院大学西宮上ヶ原キャンパス G号館3階301教室
(〒662-8501兵庫県西宮市上ケ原一番町1-155)
アクセスマップ|関西学院大学西宮上ケ原キャンパス 交通アクセスのご案内をご参照下さい。
司会 廣瀬幸生(筑波大学) 趣旨説明
講師 松本 曜(国立国語研究所) 「移動事象の言語化:実験調査による英語と日本語との対照」
講師 井上 優(麗澤大学) 「話し手の気持ちは言語にどう反映されるか─日本語と中国語の場合─」
講師 岡本順治(学習院大学) 「ドイツ語の心態詞と日本語の終助詞を使った『驚き』と『独白』の表示:その共通性と違い」
講師 渡邊淳也(東京大学) 「フランス語の語彙の抽象性・操作性と日本語の語彙の具象性・指示性」
なお、詳細は、2019年度公開シンポジウム言語系学会連合・日本英語学会共催、
および、言語系学会連合・日本英語学会公開特別シンポジウム(A4版ポスター)
をご参照ください。
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[2018年春の研究発表会]
2019年6月9日(日)に学習院大学で開かれる春の研究発表会の予定が決まりましたのでお知らせします。
今回は、昨年秋の名古屋大学での研究会が台風襲来で中止になったため、その時計画されていた講演と発表が行われることになりました。奮ってご参加ください。
日時: 2019年6月9日(日)13時15分から16時
場所: 学習院大学目白キャンパス 西1号館-106教室
アクセスマップ|学習院大学、および
キャンパスマップ | 学習院大学 をご参照下さい。
プログラム:
13:15 - 13:30 総会
13:30 - 15:00 講演
講演:斎藤 衛 氏(南山大学)
表題:「転送の単位と言語間変異-移動と束縛における局所性をめぐって」
要旨:
Chomsky (2013) の極小主義モデルは、基本的に、句構造を形成する「併合」と構造を解釈部門に送る「転送」によって構成される。
移動の局所性は、「転送」が小単位毎になされることにより説明され、照応形束縛の局所性についても、
Quicoli (2008) が同様の説明を提案している。
一方で、移動や束縛の局所性には、言語間変異が観察される。例えば、日英語間には、
NIC効果の有無に関する対比が見られる。
(*John thinks that himself is the smartest
vs.
太郎は自分自身が一番賢いと思っている)
本発表では、
転送の単位を一致の有無に言及する形で再定義し、このような日英語の対比を説明することを提案する。
その上で、英語における移動と束縛の局所性をさらに検討して、新たな転送単位の定義が、
時制補文と非時制補文の対比、非能格文と非対格文の対比などの説明に関しても有効であることを示す。
15:00 - 15:10 休憩
15:10 - 16:00 研究発表
発表者: 白井智美 氏(東京大学人文社会系研究科研究員)
表題:「空間表現の分析における「空間の客体化」について」
概要:
現代言語学で空間表現を分析する際に依拠する言語理論の多くは、
「客体化された世界」に当該の空間関係が言語的に再構築されることを前提しているように思われる。
本報告ではこの前提が、話者による自身の客体化の有無と相関関係にあると考えられることを指摘する。
日本語「いく/くる」とドイツ語の gehen/kommen が同じ空間関係を指しつつも、
Ich komme gleich!/「今行くよ。」のようにその適用が異なる場合を例に、
この視点が空間表現の記述にどの程度有効かを検討する。
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[Energeia 第44号論文申し込み締め切りの延長]
ドイツ文法理論研究会では、『エネルゲイア』の原稿(論文、研究ノート、新刊紹介、文献解題、国内外のドイツ語の研究状況についての記事)
の申し込み締め切りを2018年10月30日まで延長いたします。奮ってお申し込みくださいますよう、よろしくお願いいたします。
「エネルゲイア」執筆申し込み要項 も合わせてご参照ください。
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[2018年秋の研究発表会中止]
2018年9月30日に予定されていた秋の研究会は、台風24号(チャーミー)来襲により中止することに決定しました(9月29日(土))。
9月30日(日)の午後に予定されていた日本独文学会終了後の研究会は、一様に中止にするとの決定によるものです。
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[2018年秋の研究発表会]
2018年9月30日(日)に名古屋大学で開かれる秋の研究発表会の予定が決まりましたのでお知らせします。
日時: 2018年9月30日(日)13時15分から16時
場所: 名古屋大学東山キャンパス 全学教育棟C22教室
アクセス|名古屋大学スーパーグローバル大学創成支援事業 をご参照下さい。
プログラム:
13:15 - 14:45
講演:斎藤 衛 氏(南山大学)
表題:「転送の単位と言語間変異-移動と束縛における局所性をめぐって」
要旨:
Chomsky (2013) の極小主義モデルは、基本的に、句構造を形成する「併合」と構造を解釈部門に送る「転送」によって構成される。
移動の局所性は、「転送」が小単位毎になされることにより説明され、照応形束縛の局所性についても、
Quicoli (2008) が同様の説明を提案している。
一方で、移動や束縛の局所性には、言語間変異が観察される。例えば、日英語間には、
NIC効果の有無に関する対比が見られる
(*John thinks that himself is the smartest
vs.
太郎は自分自身が一番賢いと思っている)。
本発表では、
転送の単位を一致の有無に言及する形で再定義し、このような日英語の対比を説明することを提案する。
その上で、英語における移動と束縛の局所性をさらに検討して、新たな転送単位の定義が、
時制補文と非時制補文の対比、非能格文と非対格文の対比などの説明に関しても有効であることを示す。
14:45 - 15:00 休憩
15:00 - 16:00 研究発表
発表者: 白井智美 氏(ミュンヘン大学)
表題:「日独空間表現の分析における「話者の(非)客体化」視点の説明能力について」
概要:
現代言語学で空間表現を分析する際に依拠する言語理論の多くは、
「客体化された世界」に当該の空間関係が言語的に再構築されることを前提しているように思われる。
本報告ではこの前提が、話者による自身の客体化の有無と相関関係にあると考えられることを指摘する。
日本語「いく/くる」とドイツ語の gehen/kommen が同じ空間関係を指しつつも、
Ich komme gleich!/「今行くよ。」
のようにその適用が異なる場合を例に、この視点が空間表現の文法型の記述・説明にどの程度有効かを検討する。
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[2018年春の研究発表会(第 2 報)]
2018年5月27日(日)に早稲田大学で開かれる春の研究発表会の予定が決まりましたのでお知らせします。
日時: 2018年5月27日(日)13時15分から16時
場所: 早稲田大学戸山キャンパス 31号館 2 階、教室番号:205
早稲田大学戸山キャンパス | アクセス をご参照下さい。
プログラム:
13:15 - 13:30 総会
13:30 - 15:00 講演
講演:中島平三 氏
表題:「これでは学校英文法は退屈だ」
要旨:
学校で教えられる英文法(学校英文法)に対するイメージは、「細々した、例外の多い、雑多な約束事を覚えるだけ」といったところでしょうか。
これでは学校英文法は退屈です。学校英文法を少し「斜めから」みると、実に体系的でよくできていることに感心させられます。
15:00 - 15:10 休憩
15:10 - 16:00 研究発表
発表者: 海田皓介 氏(明治大学)
表題:「古英語 cunnan と magan の interplay」
概要:
英語史において法助動詞(Modalverben)の発達は従来高い研究の関心を集めている。
その中の一つに古英語(700 – 1100年)の cunnan と magan との意味の類似・分化がある。
両者は現代英語でそれぞれ can, may となるが、古英語ではいずれも「能力」を表していた。
本発表では先行研究の見解も交え、両者の関連を議論する。
特に両者が等位接続詞(and など)により結ばれた句においてそれぞれがどのような意味を持つかを分析する。
適宜古高ドイツ語 kunnan, mugan の類似の語法との比較も行う。
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[2018年春の研究発表会(第 1 報)]
2018年5月27日(日)に早稲田大学で開かれる春の研究発表会での講演者と講演の概略が決まりましたのでお知らせします。
講演:中島平三 氏
表題:「これでは学校英文法は退屈だ」
要旨:
学校で教えられる英文法(学校英文法)に対するイメージは、「細々した、例外の多い、雑多な約束事を覚えるだけ」といったところでしょうか。
これでは学校英文法は退屈です。学校英文法を少し「斜めから」みると、実に体系的でよくできていることに感心させられます。
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[会員の皆さまへの連絡方法の変更について]
会員の皆さまへ
現在,日本独文学会に合わせて年2回のドイツ文法理論研究会(および総会)のご案内をはがきで送付していますが,
今後は可能な限りメールでの連絡に切り換えたいと考えています。
メールでの連絡をご希望なさらない方には,今後もはがきでご案内をお送りします。
メールでの連絡を希望される方には,年2回の研究会(および総会)の他に各種講演会などの情報も随時お送りいたします。
連絡方法の切り換えをご希望の方は,
申し込みフォーム
をクリックし、氏名とメールアドレスを入力の上、送信ボタンをクリックしてください(docs.google.com を利用しています)。
なお2018年3月31日までにお申し込みをされなかった方には、これまでと同様に総会・研究会のご案内をはがきでお送りします。
経費および事務局の作業負担の削減のために,多くの方の協力をいただければ幸いです。
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[Energeia 42号発刊・発送]
2017年9月13日に事務局からEnergeia 42号が 発送されました。発刊・発送が大幅に遅れたことをお詫びいたします。
近日中にお手元に届くと思いますが。一週間しても手元に届かない場合は、
住所変更などの連絡が事務局に届いていない可能性があります。そのような場合は、 至急事務局までご連絡下さい。
また、Energeia の到着とともに、今年度(2017年度)の会費を納入していただ くシステムになっておりますので、 お早めに会費の納入をお願いします。
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[ラウンドテーブルディスカッションのお知らせ]
秋季研究発表会を以下の要領で開催いたします。奮ってご参加ください。
日時: 2017年10月1日(日)13時15分から16時
場所: 広島大学 東広島キャンパス 総合科学部K棟 303教室
広島大学へのアクセスは、東広島キャンパス | 広島大学をご参照ください。
13:15-16:00 ラウンドテーブルディスカッション
「カテゴリー判断 (kategorisches Urteil/categorical judgment)
と単純判断 (thetisches Urteil/thetic judgment) をめぐって」
概要: 本ラウンドテーブルディスカッションでは,Franz Brentano,Anton Marty らによって,
19世紀後半から20世紀の前半に言語哲学の分野で提案され,その後 Kuroda (1972) によって言語学に再導入されたた
2つの種類の判断(カテゴリー判断,単純判断)について,
ドイツ語そして日本語を研究対象としている立場から,その概念について再検討を加えていくものである。
ディスカッションの場では,以下に挙げるテーマについてそれぞれ10分程度の簡単な話題提供,問題点の指摘などを行ってもらい,
それを踏まえて,「カテゴリー判断‐単純判断」の問題について議論を進めていきたい。
テーマおよび話題提供者
a. 「判断」,Prädikation, Assertion (田中 愼)
b. Satzmodus と判断の種類 (藤縄 康弘)
c. 心態詞の使用と判断の種類 (岡本 順治)
d. 形容詞の種類と判断形式 (室井 禎之)
e. 情報構造と判断形式 (成田 節)
本ラウンドテーブルディスカッションにより,問題の所在を確認し,今後の国内,国外での共同研究につなげていくことを目的とする。
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[2017年秋の研究発表会:話題提供者募集]
2017年10月1日(日)に開催を予定しているドイツ文法理論研究会では、企画委員から 次のような企画が提案されています。
時間:13時15分~16時00分
企画:ラウンドテーブル・ディスカッション「カテゴリー判断と単純判断を めぐって」
つきましては、ラウンドテーブル・ディスカッションに参加して
趣意書に書かれている a. から h.、
または関連する他のテーマで10分程度の話題提供をしたいという方を募集します。
募集の締め切り:9月9日(土)23時50分
宛先:shtanaka[at-mark]faculty.chiba-u.jp
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[2017年春の研究発表会]
2017年5月28日(日)に日本大学文理学部で開かれる春の研究発表会の予定が決まりましたのでお知らせします。
日時: 2017年5月28日(日)13時15分から16時
場所: 日本大学文理学部 3号館 3504 番教室
日本大学文理学部 | アクセス をご参照下さい。
プログラム:
13:15 - 13:30 総会
13:30 - 15:00 講演
早津 恵美子 氏(東京外国語大学教授)
表題:「江戸期の国語研究における「自他」と現代日本語のヴォイス」
概要:
「自他」という用語は、江戸期の国語研究やそれ以前からの歌学において大きく2つの意味で用いられていた。
それはいずれも現代の言語研究における動詞の「自他」(自動詞と他動詞)とは異なるものだったが、そのうちの一方、
すなわち『詞通路』(本居春庭1828)における「自他」の概念は、個別言語としての日本語のヴォイスの射程を考える際に有効な示唆を与えてくれる。
そしてまた、それを通して通言語的なヴォイスを認めるとすればそれはどのように規定できるのかといったことも考えさせてくれる。
本発表では先行諸研究を紹介しつつ、新たな観点もみいだしてこの問題について考える。
15:00 - 15:10 休憩
15:10 - 16:00 研究発表
発表者: 城本 春佳 氏(阿南工業高専講師)
表題:「属性叙述/事象叙述と関係節構文の解釈」
概要:
従来、関係節の制限用法と非制限用法は、主名詞の指示対象を関係節が制限するか否かという基準で区別される。
そのため、主名詞が固有名詞の場合、関係節の有無に関わらず指示物が特定されるので、当然非制限用法になると考えられる。
しかし、「化粧をしている花子は女優のようだ」のような例では、「花子は化粧をしているときに限り女優のようだ」という解釈ができ、
関係節が主名詞に対し何らかの制限を加えているように見える。これは、個体レベルでの制限ではなく時空間上での制限であると考えられる。
本発表では、主に関係節及び主節の述語が属性述語であるか、事象叙述であるかという観点から、関係節の主名詞に対する制限または情報付与の仕方について詳細に検討し、
関係節構文の意味解釈のメカニズムを探る。また、
「Hanako, die schön geschminkt ist, sieht wie eine Schauspielerin aus.」では基本的に「化粧をしているときに限り」という解釈は得られないように、
同じ条件であっても日本語とドイツ語で解釈が異なる場合があることを指摘する。
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[『エネルゲイア』42号の原稿の再募集について (30.12.2016)]
ドイツ文法理論研究会では、『エネルゲイア』の原稿(論文、研究ノート、新刊紹介、文献解題、国内外のドイツ語の研究状況についての記事)を再募集いたします。
申し込み締めきりは2017年1月31日、原稿締めきりは3月31日とします。
送付の宛先については、Hinweise für Autoren| ENERGEIA をご覧ください。
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[2016年秋の研究発表会]
2016年10月23日(日)に関西大学で開かれる秋の研究発表会の予定が決まりましたのでお知らせします。
日時: 2016年10月23日(日)13時15分から16時
場所: 関西大学 千里山キャンパス E201教室
交通アクセス | 大学紹介 | 関西大学 をご参照下さい。
プログラム:
13:15 - 14:45 講演
本多 啓 氏(神戸市外国語大学 教授)
表題:「英語における主体移動表現と中間構文の接点: readの場合」
概要:
本発表では英語の主体移動表現と中間構文の接点に当たる表現として read を含む文を検討する。
発表の前半では The road goes through the desert のような主体移動表現について,
その言語的な特性と認知的な基礎づけについてこれまで知られていることを整理して提示する。
後半では,
This book reads from right to left
のような文について,これが中間構文の例であると同時に主体移動表現にも該当することを示し,
主体移動表現と中間構文を統一的に捉える理論的な枠組みを提示する。
14:45 - 15:00 休憩
15:00 - 16:00 研究発表
発表者:西出 佳代 氏(神戸大学)
表題:「lux. wäerten (nhd. werden),
lux. géif (nhd. gäbe),
lux. kënnen (nhd. können) の機能と意味領域」
概要:
現在のルクセンブルク語における lux. wäerten (nhd. werden)
には推量の助動詞としての機能しかない (Schanen/Zimmer 2012)。
起動相のコピュラ等の機能を担うのは lux. ginn (nhd. geben)
であり,その接続法過去 lux. géif (nhd. gäbe)
は,迂言的な接続法表現の助動詞としても使用される。
本発表では,これらに lux. kënnen (nhd. können) を加え,
十分に記述されているとは言い難い3つの動詞の機能と意味領域の整理を目指す。
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[2016年春の研究発表会]
2016年5月29日(日)に獨協大学で開かれる春の研究発表会の予定が決まりましたのでお知らせします。
日時: 2016年5月29日(日)13時15分から16時
場所: 獨協大学 天野貞祐記念館5階 504教室
獨協大学|大学案内|キャンパス概要|交通アクセス をご参照下さい。
プログラム:
13:15 - 13:30 総会
13:30 - 14:15 研究発表
発表者:佐藤 宙洋 氏(東京外国語大学博士後期課程)
表題:「ドイツ語の同幹類義動詞の研究―hindernとverhindernの場合」
概要:
発表者は,bleiben と verbleiben, schützen と beschützen のような,
ドイツ語の同幹類義動詞研究に取り組んでいる。
こうした研究には,DaF 的,実践的意義が第1に認められるが,研究の意義は,それだけにとどまるわけではない。
第2の意義は,造語論,中でも接頭辞研究への寄与である。従来の接頭辞研究において,「強調の接頭辞」動詞ということで済まされてきたものも,同幹類義動詞の一種であり,同幹類義動詞研究は,強調の接頭辞動詞研究を包含する。
従来強調の接頭辞動詞とされてきたものの中には,まだ基盤動詞との意味用法の差異が十分に解明されていないもの,接頭辞に関して,よりよい意味機能分類の待たれるものが含まれている。
そのことを明らかにしたのが,発表者の修士論文
「類義語研究から見たドイツ語の ver- の意味機能―強調の ver- とは何か」(2016年,東京外国語大学大学院に提出)であったと言える。
修士論文で,発表者は,強調機能も有するとされるドイツ語の接頭辞のうち,最も代表的とされる ver- に着目した。
強調の ver動詞のうち,
vertrauen, verhindern, vermeiden, verspüren をサンプルとして選び,
それらの,意味用法における基盤動詞との差異を,主にコーパスに基づいて分析した。分析に先立っては,類義語研究の成果を参照した。
その結果,少なくとも対象にした4つの ver動詞に関しては,基盤動詞との間に,意味用法上の差異が多かれ少なかれ認められた。
また,その差異は,該当の接頭辞に,強調以外の他の既存の意味的機能的カテゴリーを認めることで,ある程度説明可能であるように思われた。
本発表では,修士論文で扱った, hindern と verhindern のケースを例に,
両者の意味用法の違い,および該当の接頭辞の意味機能がどのようなものであると考えられるかを示す。
hindern と verhindern の差異について,本発表は,
hindern は〈(既存の対象を)妨げる〉という意味であるのに対し,
verhindern は〈(何かが成立・出来する前に)妨げる〉という意味である,という結論を提示する。
また, verhindern の ver- については,
「未然に( im voraus)」を意味する vor- と競合しているという見解を示す。
今日の共時的接頭辞研究において, ver- に,そういったカテゴリーは設けられていないので,
この結論は, ver- の従来の意味機能分類の枠組み自体に再考を求めることになる。
従来の接頭辞研究において,強調カテゴリーは,かなり基本的なカテゴリーとして認められてきたわけだが,
本発表で例示したような研究を進めていくことによって,このカテゴリーは今後,他のカテゴリーに還元されていき,そのようにして縮小していくことが期待される。
14:30-16:00 ラウンドテーブルディスカッション
提案者: 高田博行,山下 仁,大宮勘一郎,川島 隆,田中 愼(司会兼任)
表題:「ディスコミュニケーションをめぐる諸問題」
概要:
この企画の背景には,現在「ドイツ語研究の現在」をドイツ語に必ずしも通じていない読者層に向けて発信するシリーズを「ひつじ書房」から出版する計画がある。
この計画では,「ドイツ語の/による/にまつわる研究」という方針を掲げ,ドイツ語の言語学的研究のみならず,
ドイツ語圏の文学研究,ドイツ思想研究,歴史研究などの研究者を交えた形でドイツ,日本における「ドイツ語をめぐる研究」の最新成果をまとめ,世に問うことを意図している。
この試みは,1969年に発足した「ドイツ文法理論研究会」の流れを引き継ぐものであると自覚している。
エネルゲイアの試みは,当時全盛期であった生成文法を受動的に吸収するだけでなく,
文体論やテクスト言語学等など,さまざまな観点から言語学と文学との接点を探る方向性をとった。
なかでも1975年に機関誌『エネルゲイア』の別冊として刊行された『言語における思想性と技術性』(朝日出版社)にはそのスタンスが最も顕著に窺える。
今回,新たに「ドイツ語研究の現在」を問うことにあたって,ドイツ文法理論研究会においてさまざまな議論をできればと考えている。
今回は,その議論を通して,第一巻のテーマとして掲げる「ディスコミュニケーション」について,議論し,その議論の場を通して,多くの企画を具体的にしていきたい。以下にラウンドテーブルの概略の要点を挙げる。
・今回の企画を簡単に紹介し,三巻までの概要を述べる。
・その企画の例として,一巻について突っ込んだ議論を行う。
やり方としては,現在計画を進めている執筆予定者5名が Diskutant となり,各々10分程度で,「『ディスコミュニケーション』という大テーマについて,「自分は,このような問題を取り上げ,このようなアプローチを行っていくつもりだ」ということを述べそれについて,「円卓」上の議論を展開し,具体的な展開,問題点を探っていく。
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[公開シンポジウム:言語教育・研究の目指す方向性を巡って]
2015年11月22日15時30分から18時に、静岡県コンベンションアーツセンター「グランシップ」にて、
公開シンポジウム「言語教育・研究の目指す方向性を巡って:言語系学会連合はどこを目指すべきか?」が開かれます。
主催は、言語系学会連合(UALS) と 全国語学教育学会 の主催です。
詳細は、 公開シンポジウム「言語教育・研究の目指す方向性を巡って」(PDF版のポスター) もご参照下さい。
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[事務局移転完了]
2015年春の研究会終了後に、ほぼ事務局の移転の残務整理が終了しました(報告が遅れました)。
公式には、すでに2015年4月1日から、東京外国語大学に移転していたのですが、さまざまな残務がありご迷惑をおかけしました。
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[2015年秋の研究発表会]
2015年10月4日(日)に鹿児島大学で開かれる秋の研究発表会の予定が決まりましたのでお知らせします。
日時: 2015年10月4日(日)13時15分から16時
場所: 鹿児島大学 共通教育棟 125教室(日本独文学会E会場)
アクセス|大学紹介|国立大学法人 鹿児島大学 をご参照下さい。
プログラム:
13:15-14:30 研究発表 1
藤縄 康弘 氏(東京外国語大学)
表題:「判断文 ― 現象文とドイツ語文法」
概要:
ハとガの違いが絶えず問題になる日本語学でつとに市民権を得ている「判断文」―「現象文」という区別は、
日本語学の系譜とはまったく無関係に、F. Brentano や A. Marty といったドイツ語圏の哲学者によっても意識されていた。
ヨーロッパの言語研究の文脈で永らく顧みられなかったこの区別は、Kuroda (1972) によって再評価され、その後、Sasse (1996, 2006) のような、
ヨーロッパ諸語を横断的に調査した研究成果も現れている。
しかし、この古くて新しい視点がヨーロッパ言語の文法体系の記述・説明にどの程度有効なのか、
また、ヨーロッパ言語と日本語の対照研究や言語普遍論研究にどのようなインパクトを持つのかといった問題は、なお十分議論されないままとなっている。
そこで本報告では、現代ドイツ語にも「判断文」と「現象文」の差異が比較的ダイレクトに反映していると思われる現象があることを指摘し、
その言語理論的な意味合いを考察したい。取り上げるのは命令文と希求文である。
両者は共通の文ムード ― つまり「要求のムード」― に根ざしつつ、前者は判断文、後者は現象文に対応すると考えられる。
もしこの分析が正しいとすると、「動詞の移動(位置)は文のムードに依存する」というドイツ語学の定説は、多かれ少なかれ再考を迫られることになるだろう。
実際、どの程度再考が必要になるかについては、今回、わずかな私見しか述べられないが、却ってそれにより会場の議論が深まることになれば幸いである。
14:45-16:00 研究発表 2
井口 真一 氏(関西学院大学博士課程)
表題:「ドイツ語形容詞 ähnlich における与格目的語の出現」
概要:
ドイツ語の形容詞 ähnlich は、Engel (2009) や
Helbig/Buscha (2001) などの多くの文法書で与格支配の形容詞として扱われているが、
コーパスのデータにおいて与格と共起せずに用いられている例も確認される。
本発表では、 ähnlich が与格と共起している例と共起していない例の双方を分析し、その統語的特徴を指摘する。
さらに、それぞれの用例で ähnlich によって比較されている対象に着目することで、与格目的語の出現に関してどのようなメカニズムが働いているのかについて考察したい。
研究発表 3(研究発表 2と合わせて16時まで)
宮下 博幸 氏(関西学院大学)
表題:「形容詞と与格 ― 与格の出現をめぐる考察」
概要:
ドイツ語圏における結合価理論はまず動詞を中心に発展し、その後その着想が形容詞にも応用され(Sommerfeldt/Schreiber 1974)、
動詞と同じく形容詞にも、与格を補足語として要求するものがあるという見方が現在定着している。
しかし形容詞は動詞と同じような意味で結合価を持つといえるのだろうか。
本発表では与格を伴うとされる形容詞がさまざまな必須の度合いを示すことを示しつつ、
別の見解の提示を試みたい。また本発表は上の発表の大枠をなすような発表となる予定である。
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[2015年春の研究発表会]
2015年5月31日(日)に武蔵大学で開かれる春の研究発表会の予定が決まりましたのでお知らせします。
日時: 2015年5月31日(日)13時15分から16時
場所: 武蔵大学 8501教室
武蔵大学 交通アクセス|根津育英会武蔵学園 をご参照下さい。
プログラム:
13:15-14:45 講演
鷲尾 龍一 氏(学習院大学教授)
表題:「近代日本の国語学史とグローバルな言語学史」
概要:
筆者は国語学史と言語学史を融合する視点から、日本における言語研究の近現代史を再構成してきている。
類似の論評が繰り返される傾向にある研究史の分野においても、証拠に基づく新たな解釈や問題提起は常に可能であり、
従来の研究史が見落としてきた学史上の「空白」を埋めることさえ可能であることを、『日本文法の系譜学』(斉木美知世・鷲尾龍一(2012))や
『国語学史の近代と現代』(同、2014)において具体的に論じてきた。
これらの著作に共通しているのは、理論の盛衰や潮流の行く末には左右されない、言語研究の「底流」に目を向ける視点である。
筆者がイメージする言語研究の底流とは、日本文法で言えば Hoffmann(1868)、Chamberlain(1888)、大槻文彦(1897)、山田孝雄(1908)、松下大三郎(1924)
などに見られる洞察の系譜であり、三上章(1953)などを経て現代へと続く、現象を切り分け高次の一般化を導き出す独創の系譜である。
こうした系譜に連なる研究は、精密な言語記述もさることながら、記述に伴う優れた分析や重要な一般化の提示にこそ、
その真の価値を見出すことができるのであるが、彼らの洞察は、実は外国語との対比において日本語を捉える「対照的視点」(Contrastive Perspective)に支えられていた。
Hoffmann や Chamberlain は言うまでもなく、洋学の素養――とりわけ英学の知識――を駆使した大槻文彦の日本文法もそうであり、
基本的に個別言語主義であった山田孝雄でさえ、「凡言語の學自國語のみにて之に比較すべき外國語なきときは起らざるなり」との立場であった。
「一般理論文法学」という普遍文法の枠組みを想定していた松下大三郎の文法論には、当然ながら対照的視点による考察が随所に見られ、
例えば「ハ」と「ガ」の違いについては、「西洋論理学」に目を奪われて日本語の本質を見誤ってはならないと述べ、
後に S.-Y. Kuroda(1972)がCategorical Judgment/Thetic Judgmentと呼ぶ判断の区別を、すでに明確な形で提案していた(『日本文法の系譜学』pp. 64-66)。
今回の発表では、以上のような視点からなされた研究が提起するいくつかの問題を取り上げ、その学史的意義や今後の展開について論じる。
議論の過程では、国境を跨いだ「グローバルな言語学史」という構想にも触れ、その文脈において、近代日本の国語学史に新たな考察を加える。
14:45-14:50 総会
15:10-16:00 研究発表
小林 大志 氏(東京外国語大学大学院博士課程)
表題:「der Schlag などの名詞化において genitivus objectivus が制限されることについて」
概要:
der Schlag des Nachbarn という名詞句は、「誰かが隣人を殴ること」ではなく、
「隣人が誰かを殴ること」と解釈される。
このように、名詞化においていわゆる genitivus objectivus「目的語属格」が制限される現象を、
本発表では genitivus objectivus の制約と呼ぶ。本発表では、
名詞化のもととなった動詞が動詞として形成する統語構造に注目することで、この制約が、項に格を与える規則が動詞と名詞で異なることによって生じるということを示す。
西出 佳代 氏(北海道大学大学院文学研究科専門研究員)
表題:「ルクセンブルク語における過去形の衰退」
概要:
過去形の衰退とは、上部ドイツ語から低地ドイツ語へと進む言語変化で、
過去時制の表現が統合的な過去形から分析的な完了形へ移ることによって、
過去形が動詞の屈折パラダイムから失われていく変化を指す。
本発表では、動詞が有するアスペクト(„Aktionsart“)に着目し、
2015年2-3月ルクセンブルク語母語話者を対象に行った調査結果をもとに、„Aktionsart“が変化の進行に影響を与えうることを示す。
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[201年事務局移転中]
ドイツ文法理論研究会の関西学院大学におかれた事務局は、公式には2015年3月31日をもって終了し、
4月1日からは東京外国語大学へ移りました。
と言っても、事務局移転に伴って、さまざまな引き継ぎがあるところから、まだ関西学院大学の方でも残務があります。
ご迷惑をおかけするかもしれませんがよろしくお願いします。
金沢大学と関西学院大学での事務局は、結果的には合計 5年間近くになってしまいました(当初は、金沢大学で 3年間のみ、という予定でした)。
関係者のみなさま、ご苦労さまでした。
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[2014年秋の研究発表会]
2014年10月12日(日)に京都府立大学で開かれる秋の研究発表会のお知らせです。
日時: 2014年10月12日(日)13時15分から16時
場所: 京都府立大学 稲盛記念会館1階 103教室
大学への交通手段 | 京都府立大学 をご参照下さい。
プログラム:
13:15-14:45 講演
竹内 茂夫 氏(京都産業大学准教授)
表題:「アルファベット4000年の歴史」
概要:
ドイツ語でも使われているアルファベット(ラテン文字)は,さかのぼるとエトルリア文字,ギリシア文字,そして西アジアのフェニキア文字に行き着くことはよく知られているでしょうか。
それ以前は,原カナン・シナイ文字のように絵文字となり,そのルーツはエジプトの象形文字(神官文字)にさかのぼると言われていました。
さらにあとの2つをつなぐ1999年発見の文字を見ながら,アルファベット4000年の系譜をさかのぼります。
14:45-15:00 休憩
15:00-16:00 研究発表
岡部 亜美 氏(京都大学修士課程)
表題:「西ゲルマン諸語における HAVE 存在文の特徴」
概要:
西ゲルマン語であるドイツ語、オランダ語、英語では、無生物主語を伴う HAVE 構文を用いて「存在」を表すことが出来る場合がある
(z.B. (de) Die Stadt hat 10,000 Einwohner./
(nl) De stad heft 10,000 inwoners./
(en) The city has 10,000 inhabitants./
「町には10,000人の住人がいる。」)。
この種の構文はHAVE存在文と呼ばれ、所有表現研究、存在表現研究、HAVE動詞の研究においてそれぞれ言及が見られる。
しかしながら、同構文はいずれの分野でも周辺的な扱いを受けており、その特徴は完全には明らかになっていない。
そこで本発表では、コーパス調査と母語話者へのアンケート調査という二つ手法を主に用いて、この構文が許容される条件を帰納的に明らかにする。
またこの調査結果の分析を通して、同構文が所在表現の一つであることを示したい。
同時に、アンケート調査で明らかになった言語間の許容度の差を手掛かりとして、各言語の所在表現体系内に HAVE 存在文を位置づける。
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[Energeia 39号発刊]
2014年6月初旬に関西学院大学の事務局からEnergeia 39号が、
発送されました。もうお手元に届いていると思いますが、まだ届いていない方は、
住所変更などの連絡が事務局に届いていない恐れがあります。そのような場合は、至急事務局までご連絡下さい。
また、Energeia の到着とともに、2014年度の会費を納入していただくシステムになっておりますので、
お早めに会費の納入をお願いします。
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[2014年春の研究発表会]
2014年5月25日(日)に麗澤大学で開かれる春の研究発表会の予定が決まりましたのでお知らせします。
日時: 2014年5月25日(日)13時15分から16時
場所: 麗澤大学 校舎「かえで」 1505教室
麗澤大学 交通アクセス:キャンパス:施設 をご参照下さい。
プログラム:
13:15-13:30 総会
13:30-15:00 講演
中川 裕 氏(千葉大学教授)
表題:「アイヌ語文法の特徴 — いわゆる「動詞価」を中心に―」
概要:
アイヌ語の動詞は名詞項をいくつとるかで0項動詞から3項動詞までに分類されるが、
これは日本語などと異なり、格表示を持たない名詞句をいくつとれるかということで文法的に明確に規定できる。
また、動詞に接辞がついたり、目的語や主語を抱合したりすることによって、とる名詞項の数が変化するが、
これも語幹とそれに加わる要素の持つそれぞれの価の合計で明確に計算できるということが、
アイヌ語の特徴である。さらに、
アイヌ語では場所とそうでないものを文法的に区別するが、
この文法的に場所である名詞句を目的語として要求する場所目的語動詞というものが少数ながら存在し、
主語と目的語を区別する明示的なマーカーを持たないアイヌ語において、
その役割の一部をこの文法的な場所性が担っていると言える。
15:00-15:10 休憩
15:10-16:00 研究発表
和田 資康 氏(関西学院大学博士課程)
表題:「不変化詞vor- を伴う動詞の意味構造について―空間スキーマを手がかりにして―」
概要:
当発表はドイツ語の空間不変化詞vor- (~の前で/へ) を伴う動詞を対象とする。
当該の動詞グループは空間的用法のみならず、
“模範”(z.B. vorschreiben「書いてみせる」)、
“優位”(z.B. vorherrschen「優勢である」)、
“事前”(z.B. vorarbeiten「下準備をする」)をはじめ、多岐にわたる意味用法を示す。
それら用法は通常、その意味特徴に従って個別分類的に扱われる。
しかし当発表では、それらの個別の意味特徴をいくつかの空間スキーマと基礎動詞の結びつきからとらえようと試みる。
またこのアプローチに基づいて、それら結合に見られる傾向についても言及していきたい。
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[2013年秋の研究発表会]
2013年9月29日(日)に北海道大学で開かれる秋の研究発表会の予定が決まりましたのでお知らせします。
日時: 2013年9月29日(日)13時15分から16時
場所: 北海道大学高等教育推進機構(旧教養部)3階 E304講義室
北海道大学高等教育推進機構 総合教育部 をご参照下さい。
プログラム:
13:15-14:45 講演
高橋英光氏(北海道大学教授)
表題:「英語の命令文 — 量的分析と質的分析」
概要:
英文法・語用論の研究書を見ると、英語の命令文について「話し手が聞き手に指令して行動させる文」、「通常は動作動詞に使用が限られる」、
「直接的で丁寧さに欠けるので依頼では使用を避けるべき」などと解説している。
しかし実例を良く観察するとこのような教科書的説明が不十分であることに気づかされる。
Come closer (and I’ll call the police).は聞き手に字義通り近づくように指令しているわけではない。
Let me put it this way.では行動するのは聞き手ではなく話者である。
Don’t buy anything in downtown Tokyo.とアドバイスする友人に
Tell me about it. (A single cup of coffee can cost 10 dollars!)
と命令文で答えると「言わなくても分かっているよ」くらいの皮肉の意味となる。
また、ひと口に「動作動詞」と言っても英語には数百もの動作動詞がある。
そのすべてが命令文で平等に同じ頻度で使用されるのだろうか。
命令文がもし「無礼」なら間接的表現 (例えばCan you?/Would you?)の使用頻度が高いはずだが、
果たしてそれは事実だろうか。これらの疑問を念頭に置きつつ、量的分析と質的分析を組み合わせて英語の命令文を特徴づけてみたい。
14:45-15:00 休憩
15:00-16:00 研究発表
熊坂 亮氏(北海学園大学)
表題:「スイスドイツ語チューリヒ方言における動詞群の語順について」
概要:
標準ドイツ語の動詞群は、従属文で代替不定詞を含む 3つの動詞が文末に並ぶと定動詞がその動詞群の先頭に置かれるなどといった特定の状況
(Er hat schwer arbeiten2 müssen1. /
dass er schwer hat1 arbeiten3 müssen2 /
*dass er schwer arbeiten3 müssen2 hat1)
を除いては、
支配される下位の動詞が支配する上位の動詞の前に置かれる「左枝分かれ」の語順をとる
(dass er schwer arbeiten2 muss1)。
これに対しチューリヒ方言の動詞群は、動詞の数や代替不定詞を含むか否かにかかわらず、
支配される下位の動詞が(不定詞である場合に限り)常に支配する上位の動詞の後ろに置かれる「右枝分かれ」の語順となる
(Er hät schwèèr müese1 schaffe2. /
das er schwèèr hät1 müese2 schaffe3 /
das er schwèèr mues1 schaffe2)。
本発表では、チューリヒ方言における他の言語現象と関連付けながらチューリヒ方言の動詞群の語順について概説する。
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[2013年春の研究発表会]
2013年5月26日(日)に東京外国語大学で開かれる春の研究発表会の予定が決まりましたのでお知らせします。
日時: 2013年5月26日(日)13時15分から16時
場所: 東京外国語大学府中キャンパス研究講義棟2階 小講義室218
交通アクセス|東京外国語大学 をご参照下さい。
プログラム:
13:15-13:30 総会
13:30-15:00 講演
川村 大氏(東京外国語大学教授)
表題:日本語の「受身文」について―ラレル形述語文の一用法という観点から―
概要:
「太郎は先生にほめられた」などのいわゆる「受身文」は、他言語の受動文(passive sentence)とほぼ等価のものと見なされ、
通常構文的観点から定義されている。しかし、日本語には間接受身文があるし、
古代語においては非情物主語受身文が少なくかつ種類が限定されていた。また、
「動詞+(ラ)レル」形の述語を持ちかつ格交替を起こす文は他にもある(自発文・可能文など)。
こうしたことに目を向ければ、少なくとも構文的観点だけで「受身文」を過不足なく定義できないことは明らかである。
日本語の文法記述の立場から見れば、「受身文」はまずもって「動詞+(ラ)レル」形を述語とする文(ラレル形述語文)の一種である。
この了解に徹したときに、いわゆる「受身文」はどのように捉えられることになるのか、論じてみたい。
また、日本語の「受身」と通言語的な passive 概念との関係についても、できるだけ考えてみようと思う。
15:10-16:00 フォーラム
表題:「ドイツ語の動詞の位置をめぐって」
概要:
ドイツ語の動詞位置については、理論的にも、また教育実践の上からも、様々な議論がある。
今回はそれらの議論を「フォーラム」という形で深めていきたい。
以下のメンバーが議論の土台としての話題を提供する予定である。
・趣旨説明,理論的および機能的言語記述における動詞位置(田中愼)
・構文文法,認知言語学における動詞位置(宮下博幸)
・言語研究に基づいたドイツ語教育における動詞位置(清野智昭)
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[2012年秋の研究発表会]
2012年10月14日(日)に中央大学で開かれる秋の研究発表会の予定が決まりましたのでお知らせします。
日時: 2012年10月14日(日)13時15分から16時
場所: 中央大学多摩キャンパス 3号館3208教室
中央大学|交通アクセス|多摩キャンパスへのアクセスガイド をご参照下さい。
プログラム:
13:15-13:30 臨時総会
13:30-15:00 講演
藤原浩史氏(中央大学 文学部教授)
表題:『枕草子』の潜在的論理
概要:
「春はあけぼの」を言語学的な技術を用いて解読してみると,意外な文意が浮かび上がってきます。
従来「随筆」と言われてきたものが,語彙の選択,構文の選択,抽象的な概念の指示方式など,
完全に計算された論説であることをお話しし,清少納言の天才的思考と言語技術を紹介します。
15:10-16:00 研究発表
坂本 真一氏(中央大学大学院博士後期課程)
表題:「ドイツ語の発話末のイントネーション—教材分析の視点から—」(仮題)
概要:
ドイツ語の教材では、様々なイントネーションの記述が試みられている。
例えば文末のイントネーションには、下降調、上昇調、平板調の3つがあり、
それらはいわゆる文タイプに応じて決まる。
例えば、平叙文や命令文、W疑問詞を用いた補足疑問文であれば「下降調」、
Ja又はNeinの答えを問う決定疑問文であれば「上昇調」、文の途中、
例えば、例を列挙する場合などの箇所は「平板調」、と分類される(cf. 新倉/Lipsky 2008)。
この3つの文末のイントネーションを、矢印を用いて導入している教材の1つとしてTangram aktuellのシリーズが挙げられる(Dallapiazza et al. 2006)。
しかしながら、付属CDの実際の音声を分析すると、
発話末のイントネーション自体が複雑であり、また、補足疑問文においては下降調のみならず、
上昇調の場合もあることが分かる。このことから、
学習者がどのようにイントネーションをつけて発話するべきか困惑する場合も少なくない、ということが予測される。
本発表では、ドイツ語の補足疑問文における、文末のイントネーションを記述することを出発とし、その分類を試みる。また、今後の研究の方向性などを提示したい。
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[2012年春の総会報告]
1. 会計報告
事務局の移転に伴って、まだ不明な点があるので、2012年秋の研究会時に会
計報告を行うことが承認された。
2. 会費未納会員の取り扱いについて
以下のような提案がなされて、承認された。
・5年以上会費を滞納した者は、本会の会員の資格を失う。
・会員の資格を失った者の再入会は、会員であった際の未納分の会費の納入を前提とする。
・会員が逝去した場合は退会とする。なお未納の会費がある場合も、それを徴収しない。
3. 会費値上げの時期について
すでに、事務局から(2011年10月17日) でお知らせしているように、
第38号のエネルゲイア分から(2013年)とすることが確認された。
4. 編集委員の追加について
新たに、島憲男氏(京都産業大学)が編集委員として加わることが承認された。
なお、事務局の移転したこと、エネルゲイア第37号が近日発送されることが事務局から報告されました。
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[2012年春の研究発表会]
2012年5月20日(日)に上智大学で開かれる春の研究発表会の予定が決まりましたのでお知らせします。
日時: 2012年5月20日(日)13時15分から16時
場所:上智大学四谷キャンパス 9号館357教室
上智大学四谷キャンパス・アクセスマップ をご参照下さい。
プログラム:
13:15-13:30 総会
13:30-15:00 講演
福井直樹氏(上智大学教授)
表題:「言語間変異の本質について」
概要:
人間言語の普遍性と個別諸言語が示す多様性は言語研究の歴史を通して常にその「主役」の座を争ってきたと言える。
この講演では、言語研究の歴史に於けるこれら二つの要因の取り扱いを概観した後、
内在主義的観点を徹底的に推し進める生成文法にとって言語の多様性はいかなる問題を提起するのか、
また、個別諸言語が示す「多様性」を生成文法はどのように捉えようとしてきたかを論じる。
そして最後に、現在の生成文法の観点からみると、言語の多様性の本質とは一体何なのか、
それを捉えるためにはどのような文法モデルが必要とされるのか、という点に関して(暫定的ではあるが)私見を述べてみたい。
15:10-16:00 研究発表
柏原 与里子氏(上智大学大学院 外国語学研究科言語学専攻 博士後期課程)
表題:「ドイツ語の否定極性項目の分布」
概要:
本発表ではドイツ語の否定極性項目の分布について考察を行う。否定極性項目と
は jemals, sonderlich, übers Herz bringen
のように、典型的には否定文で用いられる表現のことを指す。
否定極性項目が生起可能な言語環境は一様ではない。
否定極性項目の中には、明示的な否定辞との共起のみが可能なものもあれば、
一定の条件を満たした否定辞無しの環境において容認されるものもある。
先行研究ではそのような生起環境の違いをもとに否定極性項目の分類が提案されている。
本発表では、その提案の精緻化を目的として行った、
ドイツ語の否定極性項目の分布に関する調査の結果を示す。
さらに、今回示された分布の背後にある要因について、特にohne
節との整合性に主眼をおいて論じる。
(2012年5月7日改訂)
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[2011年秋の研究発表会]
2011年10月16日(日)に金沢大学で開かれる秋の研究発表会の予定が決まりましたのでお知らせします。
日時: 2011年10月16日(日)13時15分から16時
場所:金沢大学角間キャンパス自然科学本館自然科学棟講義室 203教室
金沢大学アクセスマップ をご参照下さい。
プログラム:
13:15-13:30 総会
13:30-15:00 講演
武居 渡氏(金沢大学 学校教育学類 准教授)
表題:「言語を作り出す力-ホームサイン研究から-」
概要:
言語の形成過程や言語の起源について手話研究が重要な知見を提供できると考えられる。
手話の場合、体系的な手話言語に一切接していないにもかかわらず、独自の身振りやホームサインを個人内で作り出し、
コミュニケーション手段として使用している事例や、
体系的な手話言語に接していないろう者複数が集団を形成し、
独自の手話を作り出した事例など、言語的なものから手話言語が生成されていく過程を追うことができる。
ここでは、私が行ってきた離島に住む不就学ろう者のホームサイン研究を中心に紹介し、
言語を作り出す人間の生得的能力に迫りたい。
15:10-16:00 研究発表
城本 春佳氏(東京大学大学院博士後期課程)
表題:「日本語連体修飾節構文とコト志向性-ドイツ語との対照を通して-」
概要:
「机の上にりんごが置いてあるの」のようないわゆる『主要部内在型関係節(HIR)』は、
「机の上に置いてあるりんご」のような普通の連体修飾節がモノ的であるのに対し、
コト的な表現であるとされている。(池上2002ら)本発表では、
日本語連体修飾節構文の文法的・意味的構造といわゆるモノ的、
コト的な表現方法との対応関係について、ドイツ語との対照を通して議論し、
HIRで指摘されている日本語のコト志向性が、
「美智子が本を読んでいる横」ような空間的・時間的位置関係(相対性)を表す連体修飾節構文や、
いわゆる『擬似関係節』(「蛙が水の中に飛び込む音」など)においても見られることを指摘する。
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[Energeia 36号発刊]
2011年6月20日(月)に金沢大学の事務局からEnergeia 36号が、
発送されました。もうお手元に届いていると思いますが、まだ届いていない方は、
住所変更などの連絡が事務局に届いていない恐れがあります。そのような場合は、至急事務局までご連絡下さい。
また、Energeia の到着とともに、2011年度の会費を納入していただくシステムになっておりますので、
お早めに会費の納入をお願いします。
なお、総会は、秋の金沢大学での独文学会2日目の研究会で行う予定です。
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[2011年春の研究発表会中止のお知らせ]
2011年6月5日(日)に中央大学(多摩キャンパス)で開かれる予定だった春の研究発表会は、
日本独文学会が中止となったことをうけ、中止となりました。
予定されていた総会は、秋の独文学会(金沢大学)の折の研究会で開催される予定です。
なお、Energeia 36号は、通常通り発行され、郵送される予定です。
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[2011年春の研究発表会:発表者募集中]
2011年6月5日(日)に中央大学(多摩キャンパス)で開かれる春の研究発表会での研究発表者を募集します。
1.発表時間は質疑応答を含めて45分程度。
2.氏名,所属・職名(大学院生の場合には、博士前期課程・後期課程の別も),
表題,概要(1200字程度),メールアドレスを添えて下さい。
3.申し込みはメールで office(AT)energeia.jp 宛てに3月31日(木)までに。
4.応募資格は文法理論研究会の会員であること。
採用の可否については,4月初めまでにメールでお知らせします。
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[事務局移転中]
5年間に渡る学習院大学での事務局が、11月15日に終了し、金沢大学へ移ります。
目下、移転に関するさまざまな手続きを行っている最中です。しばらくは、移転期間中ということで、
ご迷惑をおかけするかもしれません。なお、金沢大学での事務局は、3年間の予定です。
[2010年秋の研究発表会]
2010年10月10日(日)に千葉大学で開かれる秋の研究発表会の予定が決まりましたのでお知らせします。
日時: 2010年10月10日(日)13時30分から16時
場所:千葉大学西千葉キャンパス 総合校舎D号館D32
千葉大学西千葉キャンパス・アクセスマップ をご参照下さい。
プログラム:
(1) 講演(13時30分〜15時) 松本泰丈氏(まつもとひろたけ 日本語文法,方言学)
標題:「さまざまな<膠着> ー<膠着>再説 ー」
膠着と融合、分析的なくみたてと総合的なくみたてなどをキーワードに、
言語の形態論的なタイプとしての日本語の膠着性をめぐってお話いただく予定です。
(2) 研究発表(15時〜16時) 西脇麻衣子氏(東京大学大学院 人文社会系研究科 博士後期課程)
標題:「ドイツ語の属格の意味論 ー 古高ドイツ語を手がかりに意味機能の派生をモデル化する」
概要:
ドイツ語の属格は、現代ドイツ語をみる限り、名詞修飾がその機能であるといえる。
しかし、通時的には、属格は動詞の目的語や副詞としても用いられてきた。
本発表では、属格がどのような意味機能をもっていたか、また、それらの機能間にどのようなつながりがあるかを考える。
古高ドイツ語期には、すでに属格の多様な用法が記録されているが、これは、
意味機能の歴史的成立過程を検証することの困難さを示している。そこで、本発表では、古高ドイツ語の用例を中心に、
属格の様々な使われ方がどのように導き出されてきたか、その派生プロセスの可能性を提示する。
まず、同一表現が異なって解釈される事例に着目し、属格の奪格的機能と部分格的機能との間に派生関係があることを示す。
次に、この二つの機能がそれぞれ拡張的に用いられるようになったと仮定することで、
他の属格用法との意味的なつながりを明らかにする。属格の様々な意味機能がメタファー化、メトニミー化の作用を通じて統一的に説明できることを示したい。
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[Energeia 第36号原稿募集]
2011年刊行予定の「エネルゲイア36号」の原稿を募集します。
1.論文申し込み締切日: 2010年9月30日
2.論文原稿締切日:2010年12月1日
3.申し込み方法:論文の標題、論文の要旨(A4レポート要旨1枚程度、横書き)を記したファイルを、
office(AT)energeia.jp 宛てに9月30日(木)までにお送り下さい。
氏名、住所、メールアドレス、現職、及び日本文・ドイツ文・英文の別を明記すること。
採用の可否については,10月中にメールでお知らせします。
最終原稿の書式等の詳細は、「エネルゲイア35号」P.98をご参照下さい。
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[2010年秋の研究発表会:発表者募集中]
2010年10月10日(日)に千葉大学で開かれる秋の研究発表会での研究発表者を募集します。
1.発表時間は質疑応答を含めて45分程度。
2.氏名,所属・職名(大学院生の場合には、博士前期課程・後期課程の別も),
表題,概要(1200字程度),メールアドレスを添えて下さい。
3.申し込みはメールで office(AT)energeia.jp 宛てに9月1日(水)までに。
4.応募資格は文法理論研究会の会員であること。
採用の可否については,9月7日(火)までに折り返しメールでお知らせします。
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[言語系学会連合加盟]
2010年7月9日に言語系学会連合(UALS) に正式に加盟が承認された(2010年7月1日付)との連絡が入りました。
そして、さっそく「科学研究費補助金」に関するお知らせとお願いが来ています。
【お知らせ】
日本学術振興会から,科学研究費補助金の審査区分に関わる「系・分野・
分科・細目表」の改正に向けて,研究者の意見を受け付けるという案内が
来ておりますので,お知らせします。
日本学術振興会:科学研究費補助金の審査区分の改正に向けて
(「学振News」より)
1.募集項目
「系・分野・分科・細目表」に関する提案及びその根拠となるデータ等
2.募集要領
提出者:研究者個人又は研究者グループや学協会を代表する場合はその代表者
提出方法:電子メール(郵便・電話・FAXによる意見の受付は致しかねます。)
提出期限:平成22年8月27日(金)
意見提出先:独立行政法人日本学術振興会研究事業部研究助成第一課企画調査係
〔電子メールアドレス:ikenboshuu25(AT)jsps.go.jp〕
ご意見のある方は、直接日本学術振興会へお願いします。
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[言語系学会連合加盟申請](2010年6月17日)
2010年春の総会で議題にのぼった「言語系学会連合」(UALS)加盟に関して、事務局一任ということになっていましたが、
事務局と企画委員で話し合った結果、加入するという結論に至り、加入申請をすることになりました。
なお、現在発売中の『日本語学』2010.6臨時増刊号は、<言語研究・日本語研究学会ガイド>特集となっており、
事務局代表(岡本)が、ドイツ文法理論研究会の概要と、その特徴について書いています(P.63-66)。
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[Energeia 第35号発刊]
2010年5月6日(木)に、Energeia 第35号が到着しました。
今号は、4本の論文と1本の研究ノートを収録し、100ページとなりました。
2009年秋の片岡邦好氏の講演に基づく論文も掲載されています。
発送まで、7日から10日の作業を予定していますが、学会前にはお手元に届くと思います。今しばらくお待ち下さい。
目次は、ENERGEIA内容一覧 でご覧になれます。
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[2010年春の研究発表会]
ドイツ文法理論研究会春の研究発表会を以下の要領で開催します。奮ってご参加下さい。
日時:2010年5月30日(日)13時15分〜16時
会場:慶応義塾大学日吉キャンパス、独立館(研究発表会と同じ建物)D307
慶應義塾大学日吉キャンパス交通アクセス
プログラム:
(1) 13:15〜13:30 総会
(2) 13:30〜15:00 講演
杉岡洋子氏(慶應義塾大学教授)
表題:「複合語の統語と意味 -- 語形成の多モジュール性を考える」
概要:
「車イス」やwheel chairといった名詞の複合を、Jackendoff (2002, 2009)は、
「プロト言語の化石」だと述べている。語と語が文法(統語規則)を介さずに意味だけで結びつく複合語は、
言語の初期状態に近いというわけである。確かに、「絵文字、絵筆、絵本、絵心、絵姿」などの例を考えてもわかるように、
複合語内の名詞と名詞の関係は多様で、それを統語の規則や原理から導くことはむずかしい。しかし、
その一方で、「皿洗い」、dish washer、「薄切り」、thin-slicedのような動詞を含む複合語では、
動詞と目的語、動詞と副詞という文法構造での関係がより直接的にあらわされる。そのため、
この種の複合語の可否や性質は、個々の動詞の統語的性質や意味構造によって説明することができ、
名詞の複合とは異なる原理にもとづくといえる。
本講演では、日本語と英語のデータにもとづき、複合という語形成が統語と意味・語用という複数のモジュールにまたがるものであることを論じる。
異なる種類の複合語が示す意味、用法、音韻、生産性の違いや、言語による差異は、
それらが語彙情報の異なる標示レベル(項構造、語彙概念構造、特質構造)に由来すると分析することで説明できる。
このような考察から、複合語がもつ語彙性と規則性という二面性が明らかになるが、
実はそれは言語そのものの二面性に他ならない。つまるところ、複合語は「言語の縮図」という意味で「プロト言語」と呼べるのかもしれない。
(3) 15:10〜16:00 研究発表 今泉 詠吉氏
(日本大学大学院 文学研究科 博士前期課程)
表題:「文彩とその効果 - ネット上での誕生日の祝辞を資料として -」
概要:
今日、我々はインターネットをコミュニケーションの手段としても使用している。
主に若者のネットを通したコミュニケーションにおいては、若者言葉や辞書には載っていない言い回し、
弱化母音の脱落や単語の縮約など正書法から逸脱したドイツ語が多く見受けられる。
メッセージの送信者は精一杯気持ちを伝えようと様々な工夫をしているのである。
本発表では、誕生日の祝辞を収集し、どのような祝辞の言い回しが可能であるかを考察すると同時に、
祝辞に見られる文彩に注目し、その文彩によってどのような効果が発生するのかを検討したい。
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[2010年春の研究発表会:発表者募集中]
2010年5月30日(日)に慶応義塾大学で開かれる春の研究発表会での研究発表者を募集します。
1.発表時間は質疑応答を含めて45分程度。
2.氏名,所属・職名(大学院生の場合には、博士前期課程・後期課程の別も),
表題,概要(1200字程度),メールアドレスを添えて下さい。
3.申し込みはメールで office(AT)energeia.jp 宛てに3月30日(火)までに。
4.応募資格は文法理論研究会の会員であること。
採用の可否については,3月末頃に折り返しメールでお知らせします。
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[09年秋の研究発表会]
2009年10月18日(日)に名古屋市立大学で開かれる秋の研究発表会に関するお知らせは、
すでに会員の方の手元に届いているはずです(もし、届いていない場合には、事務局までご連絡下さい。
住所不明で戻ってきている葉書も何通かあります。)
当日の予定を確認のために書いておきます。
日時: 2009年10月18日(日)13時30分から16時
場所:名古屋市立大学 2号館教養教育棟 3階 305教室
名古屋市立大学アクセスマップ をご参照下さい。
13時30分〜15時:
講演 片岡邦好氏〔愛知大学〕
タイトル:「語りにおけるテクスト、身体、環境の詩的構築と配置について」(概要は以下をご参照下さい。)
15時10分〜16時: 討論会 「ドイツ語学をどう発信するか?」
趣旨説明: ドイツ語学のプレゼンスをさらに高めるには、
われわれドイツ語学研究者は何をどこに向けてどう発信することができるのか、
またどう発信するべきなのか?
--- この問題を考えるとき、次のようなRasterを思い描くとわかりやすいであろう:
1.日本における発信 ⇔ 国際的発信
2.日本語による発信 ⇔ ドイツ語による発信 ⇔ 英語による発信
3.論文による発信 ⇔ 口頭(発表)による発信
4.ドイツ語学の領域内のメディアでの発信 ⇔(一般)言語学(他言語)の領域のメディアでの発信
5.個人レベルの発信 ⇔ 共同研究(プロジェクト)レベルの発信
討論会では、このように整理した上で、この「発信」の問題を参加者同士で意見交換を行いたい。
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[09年秋の研究発表会の講演]
2009年10月18日(日)に名古屋市立大学で開かれる秋の研究発表会での講演者と、講演内容が決まりましたので、
お知らせします。
片岡邦好氏〔愛知大学〕
講演タイトル:「語りにおけるテクスト、身体、環境の詩的構築と配置について」
概要:
本講演では、ナラティブ分析(Labov 1972)およびエスノ詩学的分析(Hymes 1981, 1996)
とジェスチャー分析(McNeill 1992, 2005)を融合することで、
日本人話者による交通事故体験の語り(ナラティブ)を、テクスト(言語表現)、身体、
環境という3側面から考察し、
こういったマルチモーダルな要素が協調的にテクストとパフォーマンスの詩的構築に貢献することを述べる。
分析に先立ち、「ナラティブ」、「エスノ詩学的分析」、「ジェスチャー分類」、「キャッチメント」
といった基本概念を概観し、今回用いた映像データを視聴する。
分析においては、上記の体験談が聞き手との頻繁な相互行為によって成り立っているものの、
その語りの中枢部分においては、これまでHymes (1981, 1996) のエスノ詩学的分析によって指摘されてきたように、
奇数ユニットによる体系的なテクストの構造化が観察できる点を確認する。さらに非言語的な描写においても、
クライマックスに至る語り全体が言及対象の進行方向によって形成される直行イメージ(↑←)から構成されており、
この直行イメージが包括的な(global)「キャッチメント」(McNeill 2005)として、
語りの随所で出現するジェスチャーの母体となっていることを検証する。
さらに、講演者が "double-beat gesture"と呼ぶ7つの反復的ジェスチャーを考察し、
これらが局所的な(local)キャッチメントの生成に関わることを論じる。
具体的には、これらのうちで
(1)二重の回転を伴う3例のジェスチャーが特定の意味的特徴をもつ動詞と顕著に共起し、
語りの冒頭部分に収斂する点、それと同時に、
(2)残り4例の二重ビートジェスチャーは上述の特定の詩的構造(stanza)と親和性があり、
語りを構築するための構造的繋留点(あるいはbuilding block)として援用されている点、最後に、
(3)聞き手との相互行為において、従来日本語の空間描写では観察されにくい特殊な「空間参照枠」(Levinson 2003)
が用いられており、それにもかかわらず適切な理解が達成されたことから、
参与者間の相互主観性と空間的一貫性が強く作用している点を指摘する。加えて、絶対的指さしの相互行為的機能と、
ジェスチャー環境が相互理解のための指標として機能する現象にも言及し、テクスト・身体・環境を包括的に分析することの重要性を訴える。
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[09年秋の研究発表会:発表者募集中]
2009年10月18日(日)に名古屋市立大学で開かれる秋の研究発表会での研究発表者を募集します。
1.発表時間は質疑応答を含めて45分程度。
2.氏名,所属・職名(大学院生の場合には、博士前期課程・後期課程の別も),
表題,概要(1200字程度),メールアドレスを添えて下さい。
3.申し込みはメールで office(AT)energeia.jp 宛てに9月7日(月)までに。
4.応募資格は文法理論研究会の会員であること。
採用の可否については,9月中頃に折り返しメールでお知らせします。
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[Energeia 第34号発送]
2009年5月25日(月)に、Energeia 34号を発送しました。
前年度と比べて1ヵ月あまり早い発送となりましたが、学会開催時期が同様に前倒しになっているので、学会前の発送に追われました。
今回の発送も、今号を含め、過去4年分まで未納の方を含んでいます。
今号を含め、過去5年分を滞納されている方には発送されていません
(滞納分の会費の納入が確認されれば、発送されます)。
今号34号は、2009年度の会費と対応しています。
会費の納入をよろしくお願いします。
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[09年春の研究発表会]
ドイツ文法理論研究会春の研究発表会を以下の要領で開催します。奮ってご参加下さい。
日時:2009年5月31日(日)13時15分〜16時
会場:明治大学駿河台キャンパス、リバティータワー14階1145教室(研究発表会会場と同じ)
明治大学交通アクセス
プログラム:
(1) 13:15〜13:30 総会
(2) 13:30〜15:00 講演
尾上圭介(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
表題:「存在承認と存在希求——文的意味成立の原理——」
概要:
語が語であることを超えて文になるとは、どのようなことであろうか。
文にも、述語を持つ文(述定文)と持たない文(非述定文)が、
おそらく何語にもある。それはなぜか。述語を持つ文には原理的に主語がある。
それはなぜか。
文事態の全体にかかわるとも言えそうなテンスやモダリティがなぜ述語の述定形式(形態変化や助動詞)で表されるのか。
述定形式の選択によって表し分けられる意味は、何語でも、時間的意味とモダリティ(必ずしも主観的意味ではない。
主観的意味と一部重なるのみ)に限られる。
それはなぜか。それらの問いは、主語と述語を「存在するもの」と「存在の仕方」という観点から見ることによって、説明されるだろう。
語や語の集まりが文になると言う時、文が実現する意味というのは何であろうか。
文の伝達上の機能としてではなく、文そのものの意味を問うなら、それは煎じつめれば、
存在承認(「ある」と認める)か存在希求(「あれ」と求める)かであろう。
主語述語を持つ存在承認の文が(大多数の)〈平叙文〉と、〈疑問文〉であり、
存在希求の文が、〈呼び掛け文〉(「存在するもの」の側の希求)と〈命令文〉
(「存在の仕方=在り方」の側の希求)である。
モノの概念表示形である名詞がそれ自身で文になる時(名詞一語文)、
運動の概念表示形である動詞終止形(言わば辞書形)がそれ自身で文になる時(動詞終止形一語文)、
その最も原理的な一語文としての意味は、存在承認(「ヘビ!」「にらむ!」という発見驚嘆の叫び)か、
存在希求(「水!」「止まる!」という希求の叫び、あるいはそれが他者に向けられた要求)である。
述語の意味と形式の関係を問うためには、存在を語るものとしての文一般の特殊平叙文的なあり方を考えるという視点が必要になろう。
(3) 15:10〜16:00 研究発表 山川智子
(東京大学大学院総合文化研究科 博士後期課程)
表題:「現代ヨーロッパの市民社会における言語政策を研究する意義
−−欧州評議会の活動をドイツの視点から分析する−−」
概要:
現代のヨーロッパ市民社会は「国民国家」という枠組みをこえた社会であり、
その政治的役割は「欧州連合(EU)」が担っている。
このヨーロッパにおいて市民の交流の活性化を目指す際に大きな壁となるのが「言語」の違いである。
多言語社会ヨーロッパで「言語政策」が重要な所以はここにある。
この「言語政策」に中心的に取り組んでいるのがEUとは別の組織である「欧州評議会」である。
本発表では、移民のための言語政策や言語教育など多くの課題に取り組んでいる欧州評議会の活動を、
「ドイツ」「ドイツ語」の視点から考察する。
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[09年春の研究発表会:発表者募集中]
2009年5月31日(日)に明治大学で開かれる春の研究発表会での研究発表者を募集します。
1.発表時間は質疑応答を含めて45分程度
2.氏名,所属,表題,概要(1200字程度),メールアドレスを添えて下さい
3.申し込みはメールで office (AT) energeia.jp 宛てに2009年3月15日(日)までに
4.応募資格は文法理論研究会の会員であること
採用の可否については,3月末に折り返しメールでお知らせします。
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[09年春の研究発表会:第一報]
2009年春の研究発表会は、5月31日(日)に明治大学で行われる予定です。
講演予定者とタイトルだけは、すでに決定しましたので、
第一報としてお知らせします。
尾上圭介(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
「存在承認と存在希求——文的意味成立の原理——」
(2009年1月13日変更)
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[08年秋の研究発表会]
ドイツ文法理論研究会発表会を以下の要領で開催します。奮ってご参加下さい。
日時:2008年10月13日(祝・月)13時30分〜16時
会場:岡山大学法文経 講義棟2階24番講義室(研究発表会会場と同じ)
岡山大学交通アクセス
および、
岡山大学津島キャンパスをご参照下さい。
プログラム:
(1) 13:30〜15:00 講演
金水 敏
(大阪大学大学院文学研究科教授) (SKの役割語研究所)
「役割語研究の新展開」
概要: 2003年に『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』(岩波書店)が発刊されて以来、
著者を含め何人もの研究者の参加を得て、その探求に深さと広がりが与えられてきた。
「役割語研究」は、単なる言語研究の枠を超えた、人文学研究の学際的プロジェクトに進化しつつある。
今回の発表では、次の諸点に焦点を当てて最新の到達点を示し、併せてフロアとの討議を期待したい。
(1) 役割語の発生・継承についての理論的考察。特に、近年の「キャラクター研究」に言及しつつ、
キャラクターの言語が持つステレオタイプ的側面(狭義役割語)と個性的側面の区別と交渉について述べる。
(2) 役割語の対照的研究の可能性について、山口治彦氏論文(『役割語研究の地平』2007所収)等を参照しながら考察する。
(3) 主に中国人を表現するピジン日本語の形成過程を追い、役割語の歴史性と歴史離れの現象について考察する。
(2) 15:10〜16:00 研究発表 細川裕史
(学習院大学・日本学術振興会特別研究員 - PD)
「『話ことばらしさ』の再現と模倣 ー ドイツ語における「『役割語』を探して」
概要:
「役割語」は金水(2003)などにおいて提示された概念であり、
特定の社会集団を想起させる言語変種、主に特定のメディア(児童書やコミック)
のみに見られるフィクションの言語変種を指している(「博士ことば」や「お嬢様ことば」など)。
本発表では、ドイツ語の「話しことば」研究(Schwitalla 2006など)の成果に基づきながら、ドイツ語における役割語および「話しことば」
の再現を目的とした言語変種について考察する。
中でも、Czennia(2004)で提唱されている「人工方言」と「役割語」との関係に焦点をあてる。「人工方言」は、
社会方言の翻訳を目的として造語されるもので、「役割語」と同じく特定の社会集団を想起させるフィクションの言語変種である(「田舎ことば」や「ローマ人ことば」など)。
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[ENERGEIA編集委員長交替]
これまでの2年半に渡って清水朗氏(一橋大学)がENERGEIA
の編集長を勤めてまいりましたが、
2008年6月15日の総会で編集長の交替が了承され、
その後任を一任された事務局では、交渉を重ねた末、
重藤実氏(東京大学)に新編集長をお願いしました。
期間は、2年間です。
ENERGEIAの34号、35号の編集長ということになります。
なお、各種役員は、こちらをご参照下さい。
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[秋の研究発表会、発表者募集中!]
2008年10月13日(月)(体育の日)に岡山大学で開かれる秋の研究発表会での研究発表者を募集します。
1.発表時間は質疑応答を含めて45分程度
2.氏名,所属,表題,概要(1200字程度),メールアドレスを添えて下さい
3.申し込みはメールで office(AT)energeia.jp 宛てに9月8日(月)までに
4.応募資格は文法理論研究会の会員であること
採用の可否については,9月中頃に折り返しメールでお知らせします。
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[Energeia 第33号発送]
2008年6月13日(金)に、Energeia 33号を発送しました。
学会間近ということもあり、時間のない中での作業でした。
今回の発送は、今号を含め、過去4年分まで未納の方を含んでいます。
今号を含め、過去5年分を滞納されている方には発送されていません
(滞納分の会費の納入が確認されれば、発送されます)。
今号33号は、2008年度の会費と対応しています。
会費の納入をよろしくお願いします。
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[Energeia 第33号発刊]
2008年6月2日に、Energeia 第33号が到着しました。
今号は、6本の論文を収録し、104ページとなりました。
2007年春の西村義樹氏の講演に基づく論文、並びに、
2007年秋の益岡隆志氏の講演に基づく論文も掲載されています。
発送まで、今しばらくお待ち下さい。
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[08年春の研究発表会]
ドイツ文法理論研究会発表会を以下の要領で開催します。奮ってご参加下さい。
日時:2008年6月15日(日)13時30分〜16時
会場:立教大学池袋キャンパス 10号館 X105教室
立教大学交通アクセス
並びに、
立教大学池袋キャンパスマップ
をご参照下さい。
プログラム:
(1) 13:30$A!+14:50 講演 泉 邦寿
(上智大学外国語学部フランス語学科教授)
「タイトルとは何か ー作品タイトルの意味作用ー」
概要:
広い意味での名付けという言語行為はそれ自体一般的な問題として興味深いが、
今回はその中でも、絵と彫刻の作品タイトルをとりあげて意味・語用論の観点から考えてみたい。
名札や標本名、図鑑の個体名などと比較しながら作品タイトルの意味的な仕組みを明らかにした上で、
具体的な絵画・彫刻からの事例をいくつか取り上げ、
作品の表象とそのタイトルとの意味的なマッチングをさまざまなレベルで考察する。
その際、タイトルにおける日本語と外国語、翻訳の問題にも触れるつもりである。
(2) 14:50〜15:00 総会
(3) 15:00〜16:00 研究発表 西出 佳詩子
(中央大学大学院文学研究科独文学専攻)
「紙媒体と電子媒体の新聞記事での改行による段落構成について(仮題)」
概要:
今日、新聞には従来の印刷新聞に加え、
インターネットを通した電子新聞という形の2つが存在する。
両媒体の新聞記事を比較し、メディアの差によりテクスト構造に違いが見られることが指摘されている。
本発表では、そうした先行研究を踏まえ、Süddeutsche Zeiung の紙媒体と電子媒体の記事を用いて、
テクストの展開からみた両媒体の段落構成の様相を示し、
メディアがテクストの言語使用にどのような影響を与えているのかを考察する。
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[春の研究発表会、発表者募集中!]
2008年6月15日(日)に立教大学で開かれる春の研究発表会での研究発表者を募集します。
1.発表時間は質疑応答を含めて45分
2.氏名,所属,表題,概要(1200字程度),メールアドレスを添えて下さい
3.申し込みはメールで office(AT)energeia.jp 宛てに5月17日(土)までに
4.応募資格は文法理論研究会の会員であること
採用の可否については,5月中に折り返しメールでお知らせします。
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[Prof. Dr. Sternefeld 講演会共催]
来る2月27日(水)に学習院大学人文科学研究所主催、学習院大学ドイツ文学会ならびに、
ドイツ文法理論研究会共催で、以下のような講演会が行われます。
奮ってご参加下さい。講演のタイトルは英語になっていますが、
講演はドイツ語で行われる予定です。
講演者:Prof. Dr. Wolfgang Sternefeld
(Eberhard Karls Universität Tübingen;
Seminar für Sprachwissenschaft)
日時:2008年2月27日(水) 午後1時30分〜午後3時30分
場所: 学習院大学 西2号館503教室
タイトル: Complex Predicates in German
講演者の都合により、急遽、変更になりました。(2/26)
Zur Interpretierbarkeit der Merkmale von Pronomina
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[07年秋の研究発表会]
ドイツ文法理論研究会発表会を以下の要領で開催します。奮ってご参加下さい。
日時:2007年10月8日(月)13時15分〜16時
場所:大阪市立大学(杉本キャンパス)全学共通教育棟830教室
(JR阪和線杉本町駅下車。
杉本町の駅は(変わっていなければ)大学と反対側に出口があり,
踏み切りをわたる必要があります。また,共通教育棟は駅から一番遠い東側ですから,「徒歩10分」ぐらいとお考えください。)
(1) 13:15〜14:45 講演 益岡隆志
(日本語学,神戸市立外国語大学教授)
「日本語における叙述の類型」
要旨:
近年の言語研究においては、動詞を主要部とするイベント文(出来事文)の研究が大きな成果を挙げている。
それに対し、日本語研究においては以前から、
イベントを表す文と対象の属性を表す文の違いに着目した研究が行われてきた。
ここではこのような日本語研究の流れを受け継ぎ、広義のイベントを叙述するタイプ
(「事象叙述」)と対象の属性を叙述するタイプ(「属性叙述」)を区別したうえで、
事象叙述・属性叙述という叙述の類型の概念が文法研究においてどのような意義を持つのかを概観する。
属性叙述における「属性」とは何かといった問題を、具体的な構文の分析を通して検討してみたい。
(2) 15:00〜16:00 研究発表 津山 朝子
(関西学院大学大学院文学研究科ドイツ文学・語学専攻)
「dochの意味機能と文法化(仮題)」
要旨:
Weydt(1969)以来、心態詞の研究は隆盛してきたが、
心態詞という機能がどのように発生し、
どのような発達を遂げてきたのかという点については未だ十分な研究はなされて
いないように思われる。
本発表では、dochを例にとり、
心態詞機能とそれ以外の意味機能にどのような共通点・
相違点があるのかを観察し、
dochが経た文法化などの意味変化について論じてみたい。それによって、
「核となる意味」を中心とした品詞と機能のネットワークを想定し、
心態詞機能の発生のメカニズムに関する一つのモデルを提案したいと考えている。
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[Prof. Dr. G. Rickheit教授講演会]
学習院大学ドイツ文学会との共催で,
日本独文学会第35回語学ゼミナールの招待講師で,
心理言語学者である Prof. Dr. Gert Rickheit の講演会が
9月10日(月)に学習院大学で行われます。
講演はドイツ語で行われ,参加は自由,参加費は無料です。
題目:Wissensvermittlung mit Texten vom Augen-Blick zur Kognition
日時: 9月10日(月)15:00〜17:00
場所: 学習院大学・西5号館302号室
学習院大学へのアクセス
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[秋の研究発表会、発表者募集中]
10月8日(月)に大阪市立大学で開かれる秋の研究発表会での研究発表者を募集します。
1.発表時間は質疑応答を含めて45分
2.氏名,所属,表題,概要(1200字程度),メールアドレスを添えて下さい
3.申し込みはメールで office(AT)energeia.jp 宛てに7月31日までに
4.応募資格は文法理論研究会の会員であること
採用の可否については,8月中に折り返しメールでお知らせします。
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[Energeia 第32号発送]
2007年6月21日(木)に、ようやくEnergeia 32号の発送にこぎつけました。
間もなく、会員の方々のお手元に32号が届くと思います。
今回の発送は、今号を含め、過去4年分まで未納の方を含んでいます。
今号を含め、過去5年分を滞納されている方には発送されていません
(滞納分の会費の納入が確認されれば、発送されます)。
会費の納入をよろしくお願いします。
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[Energeia 第32号発刊]
2007年5月23日に、Energeia 第32号が到着しました。
今回の号は、久しぶりに厚手の手ごたえのあるものです(130ページ)。予算の関係から、
組み方を変え、より詰まったレイアウトになっていますが、これの方が本来の組み方のように思います。
残念ながら人手の足りない事務局では、発送準備作業が文法理論研究会の春の研究発表会前に終了しそうにありません。
しばらくお待ち下さい。
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[07年春の研究発表会]
ドイツ文法理論研究会発表会を以下の要領で開催します。奮ってご参加下さい。
日時:2007年6月10日(日)13時〜16時
場所:東京大学(駒場)1号館2階 150教室
(1) 13:00$A!+14:30 講演 西村義樹
(東京大学大学院人文社会系研究科准教授)
「文法の中の換喩」
概要: 先行研究の成果を踏まえつつ、換喩(的現象)
をより包括的かつ明確に特徴づけることによって、
従来別々に扱われてきたいくつかの文法現象(与格交替、所格交替、
tough構文、結果構文、間接受動文など)を統一的な視点から捉え直すことを試みる。
その過程で、(1)百科事典的な意味論、(2)(図と地の反転、焦点化等の)
捉え方(construal)が言語表現の意味の成立に決定的に関わっていること、
(3)使用基盤(usage-based)モデル、などの認知言語学的な考え方の重要性も再確認されることになろう。
(2) 14:35$A!+14:40 総会
(3) 14:40〜15:20 研究発表1 カン・ミンギョン(東京芸術大学非常勤講師)
「ドイツ語『状態変化動詞』の語彙的体系 ---『使役交替』をめぐって ---」
概要: 本発表では,使役交替の可能性をめぐって,
状態変化動詞がどのような語彙的体系を形成しているのか,また,
それにどのような意味的要因が関与しているのかを考察する。さらに,
コーパスを用いて状態変化動詞の語結合における使役交替の実態を観察し,
そこに語彙化パターンとの意味的共通性が認められることを示す。
(4) 15:20〜16:00 研究発表2 中村直子(首都大学東京人文科学研究科博士後期課程)
「日本人英語学習者による非対格動詞の習得 --- 中学生・高校生における実験結果をもとに」
概要:日本人英語学習者に多くみられる誤りの一つに,
非対格動詞を受動文で用いることが報告されている. 本発表では,
この事象に関して行った実験より,
初期段階の英語学習者も項構造の違いから非対格動詞と非能格動詞を区別していることを確認し,
その結果分析から, 思春期以後の外国語習得にも普遍文法が働いている可能性を指摘する.
* 会員でない方も参加できます。
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[2006年秋の研究発表会]
ドイツ文法理論研究会発表会を以下の要領で開催します。奮ってご参加下さい。
日時:2006年10月15日(日)
場所:九州産業大学
1号館N301教室
13:00 開場
13:15-14:45 講演(質疑応答込み)
上山あゆみ(
九州大学大学院人文科学研究院言語学講座助教授)
タイトル:生成文法の実証的研究を目指して
概要:
チョムスキーが生成文法を経験科学として位置づけたということは、
よく知られている。しかし、
一つ一つの研究をどのように行っていけば実証的な研究になるのかという具体的な点については、
必ずしも衆目の一致するところではなく、
そもそも理論言語学が経験科学として研究可能なのか、
と懐疑的な意見すらよく耳にする。本発表では、
この問題に対する私の考えを述べ、その具体的な実行のために現在進行中の試みを紹介したい。
14:45-14:50 休憩
14:50-15:50 研究発表(質疑応答込み)
筒井友弥(広島大学大学院社会科学研究科)
タイトル:schon の対照性に基づく心態詞 mal との結合形について
概要:
発表者は,これまで主に心態詞の語用論,特に,
「要求」の発語内行為における心態詞 mal の働きに注目してきた。
本発表では,平叙文における心態詞schon と mal の結合形に対象を絞り,
schon が示す対照性に注目して,
その対照性から生じうる問題との関連において心態詞 mal が使用されるという新しい見解を提示したい。
[Energeia 第31号発送]
2006年6月29日に,Energeia31号を発送しました.
今回は,前の事務局(筑波大)のデータと照合しながらの作業でしたので,
思いのほか時間がかかりました.お手元にEnergeia31号
が届かない方は,ご連絡下さい.ただし,事務局
からのお知らせを先にご確認下さい.
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[Energeia 第31号発刊]
Energeiaの第31号が、2006年6月1日に発刊されました。
会員の方々への発送は、近日中に行われる予定です。
事務局が、独文学会の開催校であったため、準備が若干遅れています。
会員の方々には、第31号の受け取りとともに、2006年度の会費、3000円の振り込みをお願いします。
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[春の研究発表会]
ドイツ文法理論研究会発表会を以下の要領で開催します。奮ってご参加下さい。
日時:2006年6月4日(日)13時45分〜16時15分
場所:学習院大学西1号館3階 302教室
(1) 午後1:45$A!+2:15 総会
(2) 午後2:15$A!+4:15 講演会
井上逸兵氏(慶応義塾大学教授:英語学・社会言語学・認知言語学)
演題:「コンテクスト化の資源とコミュニケーションの生態系」
要旨:相互行為の社会言語学の発展型としての「コミュニケーションの生態学」
の試みとして、言語的、非言語的な資源がいかに用いられて、
言語的メッセージへの制約や付加に寄与するかを、主として日本語と英語を材料に考えます。
* 会員でない方も参加できます。
[機関誌「エネルゲイア」の目次一部公開]
過去5年間の「エネルゲイア」の目次を公開しました.ゆくゆくは,すべて
の目次を公開する予定です.
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[過去の研究会一覧]
ドイツ文法理論研究会の過去の研究会一覧を作成し,公開しました.
残念ながら,1972年から78年の6年間,機関誌「エネルゲイア」の空白があ
り,その間に開かれていた研究会の記録が見つかりません.ご存じの方は,
ご一報ください.「過去の研究会一覧」をクリックしてください.
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[事務局移転]
2005年11月15日から、
正式に事務局が筑波大学から学習院大学へ移転しました。郵便振替口座の番号は変わりません。
連絡先:
〒171-8588
東京都豊島区目白 1 - 5 - 1
学習院大学文学部ドイツ文学科事務室 気付
ドイツ文法理論研究会(郵便振替口座 00100-7-25009)
fax: 03 - 5992 - 9309
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[秋の研究発表会]
2005年10月10日(月)に、
ドイツ文法理論研究会発表会を以下の要領で開催します。奮ってご参加下さい。
日時:2005年10月10日(月)13時30分〜16時
場所:同志社大学新町キャンパス臨光館(2階)R212
(1) 講演:東郷雄二氏
(京都大学人間環境学研究科教授、言語学・仏語学)
題目:冠詞は何を表しているか -- 意味論と語用論のはざまで
(2) 研究発表:増田将伸氏(京都大学大学院)
題目:質問表現についての一考察 -- 質問の目的と対話文脈に注目して
* 会員でない方も参加できます。
** 講演で扱われるデータの中心は、英語の予定です。
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[Vortrag von F. Simmler]
2005年10月7日(金)に、
ベルリン自由大学の Franz Simmler
教授による講演会が開かれます(ドイツ文法理論研究会共催)。
日時:10月7日(金)17時〜
場所:東京大学本郷キャンパス独文研究室(文学部3号館4階)
題目:Tendenzen deutscher
Gegenwartssprache
Franz Simmler
教授は、ドイツ語音韻論、形態論、
統語論からテクスト文法研究に至るまで、
幅広くドイツ語を研究しています。今回の講演では、
1945年以降のドイツ語の発展傾向を、さまざまな観点から扱う予定です。
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[Vortrag von L. Eichinger]
2005年9月5日(月)に、Ludwig Eichinger 教授
(マンハイム・ドイツ語研究所所長)による講演会を共催します。
日時:2005年9月5日(月)16:30〜18:00
場所:学習院大学 西2号館 503教室
題目:Nach allen Seiten offen?
Die Struktur der deutschen Nominalphrase in dependentieller
Sicht.
(「あらゆる側に開かれているか。
依存文法から見たドイツ語名詞句の構造」)
ドイツ語通訳付
学習院大学文学会、学習院大学ドイツ文学科、ドイツ文法理論研究会共催
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[Energeia 第30号発刊]
・2005年6月15日に、エネルゲイア30号が発刊されました。
内容:
萩原裕子(Hiroko Hagiwara):
転位現象に関する神経生理学的研究 --- ドイツ語と日本語の比較 ---
Yoko Aoki(青木葉子):
Semantische Kontinuität der reflexiven
Verben: anhand der kausativ-inchoativen Alternationen
Shuichi Honda(本多修一):
Eine Betrachtung des
Partizip II bei der Perfekt-/Plusquamperfektbildung im
Niederdeutschen: Vom Standpunkt des Sprachkontakts mit den
Nachbarsprachen aus.
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[暫定ホームページがオープン]
独自のドメインとして,energeia.jpを取得し,
2005年5月14日,暫定的にホームページをオープンしました.
連絡先:
〒183-8534
東京都府中市朝日町 3 - 11 - 1
東京外国語大学総合国際学研究院 成田節研究室気付
ドイツ文法理論研究会(郵便振替口座 00100-7-25009)
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機関誌「エネルゲイア」 |
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